これで差がつく!見積書の極意~見積もり内容を施主に伝えるには「工事の流れに沿って説明する!」

見積書=金額がわかるだけじゃない!

顧客が契約するかどうかの、大きな判断材料になる見積書。素人が見てもわかりやすく、必要事項の抜けがない資料に仕上げるのは難しい。

限られた時間で、精度の高い見積書をつくる達人5名は、どんな工夫をしているのか。実際の見積書をもとに、①準備、②見積書作成、③見積書提出の3つのSTEPで鍵になるポイントを聞いた。



《STEP3 提出》
見積もり内容を施主に伝えるには「工事の流れに沿って説明する!」

ポストインを手渡しに
契約率15%向上

見積書は手渡しが大原則。いくらわかりやすくまとめていても、対面での説明を加えて初めて理解してもらえるものだ。提出日は、「出来たらお持ちします」ではなく「◯日に持っていきます」と明確な日にちでアポイントを取ると、顧客も心構えができる。

駒商ではポストインしていた頃は契約率45%程だったのが、手渡しを徹底して60%まで改善したという。

モリシタ・アット・ホームの佐伯さんは、見積もりが何ページにも渡る場合「まず、30分で最後までいきますね」とはじめに足早に説明する。そこから、施主が気になる箇所を掘り下げる流れだ。


『いつ・何を・なぜ』工事の必要性を明確に

どう読めばいいか、これはいつ何をするための項目か、工事の流れがわかるように説明すると理解しやすい。

オリバーの道順さんは、提出前に流れをおさらいするスタイル。

「今回はこの内容で依頼をもらったので、こういう工事をしたいです。なので、今日はこの見積書を持ってきました」という流れで説明する。これで、施主の受け入れ態勢が整う。逆に、ここで食い違いがあればヒアリング不足ということになる。



駒商 駒走社長の見積書ファイリングテク

《ポイント》

見積もり資料は枚数が多く、「再生レールホルダー」に差し込むと書籍のような形になる。

「短期間で分厚いのを持ってきてくれてすごいと思ってもらえます」



競合より早く?遅く?相見積もりの戦略

最後に商談機会を設け自社を印象づける
オリバー 道順さん

道順さんは、必ず最後に自社の説明で締め括る。いつ他社の見積もりが出るかを聞き、自社より後の場合は「見積もり内容の違いを比較検討するために、お伺いしましょうか?」と言って、全ての見積もりが揃った後に商談の機会を設ける。

「大規模であれば尚更、どんなに良い内容でも即決は少ないです。最後にオリバーを印象付けるために、細かなケアで差別化を図ります」


1対1で向き合う姿勢を見せる
駒商 駒走社長

駒走社長も、他社の見積もり提出日を聞き、その後すぐ電話していいですか?とアポを取る。「たくさんの顧客のうちの1人ではなく、1対1でご対応していますよ、と伝えるため、スピーディな連絡を心がけます」


あえて相見積もりをすすめる
ライフプラン 武井さん

武井さんは、「心配なら何社か相見積もりをとってみては」とあえて相見積もりをすすめることもある。「無理に押して自社で受注しても、工事待ちになることも。ゆっくりお客様のタイミングで声をかけてください、の方がお客様も焦らずに済みます。お客様の方から『ライフプランにお願いしたい』と思ってもらうことで、工事のタイミングを調整する主導権をこちらが握れます」


【相見積もりで聞いておきたいこと】

  • なぜ相見積もりをとっているか?
  • 競合の見積もりはいつ提出か?
  • 自社の見積もりは最後?最初?
  • 金額が最優先か?



見積書作成の達人5名に聞きました

ナサホーム(本社・大阪府大阪市)千里中央店 店長 守行一晃さん

大学では建築学科で学び、2013年にナサホームへ入社。営業10年目。2017年からは3年連続で、同社全社員内での顧客満足度1位を獲得した。


ライフプラン(栃木県小山市)専務 武井正浩さん

住宅設備流通の営業を経て、2010年にライフプランに入社。リフォーム営業歴12年。2019年からは親会社のヒタチ設備の社長も兼務。


オリバー(本社・富山県富山市)oliverリフォーム高岡店 主任 道順雷さん

高校時代からの自分の家を建てたいという夢と、営業をしたいという希望を叶えられると思い、オリバーに新卒入社。営業歴5年目。設備交換から外装、増改築まで幅広く担当する。


モリシタ・アット・リフォーム(兵庫県姫路市)リノベーション事業部 部長兼店長 佐伯直紀さん

入社20年目で店長も務めるプレイングマネジャー。2019年からは大規模リノベーションをメインに担当。今年1~8月までの平均単価は400万円。


駒商(兵庫県宝塚市)社長 駒走宜久さん

設備会社や左官会社の手伝いを経て、リフォーム会社の駒商を起業し17年目。今年6月までは営業も兼任していた。現在は経営に専念し、人員充実に注力する。



リフォマガ2022年12月号掲載



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