KURASHIをたのしむVol.26 DIYを楽しみながら心地よい北欧流の暮らし

雑誌の表紙を飾るような、素敵な桒原さんファミリー。ライターの桒原さやかさんは、ノルウェーでの体験を活かし、自然豊かな松本で自分の暮らしを大切に過ごしている。北欧流の心地よい暮らし方を聞いた。

▲ライター 桒原さやかさん

長野県松本市在住。大学卒業後、日本の「イケア」に就職し、スウェーデン人の現在の夫と出会う。夫と共にノルウェー・トロムソで1年半暮らした後、5年前に長野県松本市へ。フリーランスのライターとして活動。4歳と2歳のママ。



北欧の人々には「余白」がある

「おうちが楽しい場所にしたい」。桒原さやかさんは、3年前に築40年の戸建てを購入し、少しずつDIYして家を整え、デッキやサウナ小屋もつくった。家族でバーベキューをしたり、子どもたちはサウナ小屋で絵本を読んだりと楽しい時間を過ごす。

桒原さんの北欧との出会いは、大学卒業後に就職した「イケア」。北欧の働き方や暮らしぶりを初めて知った。そこでスウェーデン人の夫とも出会い、北欧に何度か訪れた。「北欧の人は肩の力が抜けて無理がなく、自分の理想的な感じ。日ごろどんな風に暮らしているのかを知りたくて」と、ノルウェーに移住することを決めた。

北欧で生活して気がついたのは、人々が、気持ちや時間、家に「余白」をもっていること。朝8時ごろ出勤し、午後4時には帰宅する。残業する人はなく、仕事を終えた後も楽しむ時間がある。「自分と向き合えるから、心地いい生活ができている」と感じた。

そして夫の勤める会社で、大きな組織変更があったのを機に日本に帰ることになった。夫はかねてから希望していたフリーランスに転身して働いている。

▲和室のリビングは、畳とフローリングを半々にしている。松のテキスタイルは、北欧在住の島塚絵里さんデザイン



家を居心地よく変えていく

1年半ノルウェーで過ごした桒原さんは、自然も街もある松本での生活をスタート。ダイニングの窓からはアルプスの山並みが一望できる。

YouTubeでDIYを学び、古い日本家屋に自分たちで手を加え、居心地よい空間に仕上げてきた。部屋の仕切りを取り払い、ダイニングの壁と天井は白く塗り直し、リビングの砂壁は漆喰で白く塗った。畳が使いにくい部屋はフローリングに張り替えた。

「北欧の冬は太陽が昇っている時間が短いので、家の中が少しでも明るくなるように壁や床、家具まで白を選んでいる家庭が多いです。模様替えやDIY、リフォームも頻繁に行われていて、日々おうちが楽しくなるように変化させています。現地の人は、自分にとって居心地いい住まいはどんなものか、常に考えています」。

家づくりのアイデアが次々と浮かぶ桒原家。今後、「金曜日は映画の日」と決めて、大きなスクリーンを用い家の中と外で見られるようにしたい、と楽しそうに話す。

▲明るく開放的なダイニング。日本の家の壁は白といっても少しベージュがかっていることが多いが、桒原家の壁と天井は真っ白だ



家族の時間を大切にする

桒原家は、松が描かれた大きなテキスタイルがリビングをポップに彩る。和と北欧テイストが心地よく調和している。

「北欧スタイルを簡単に取り入れるには、ランプがおすすめです。いくつもの小さい灯りを、ダイニング、寝室、玄関などに置くと、家中があたたかい雰囲気に包まれる。アクセントにテキスタイルも手軽です。季節ごとにクッションを変えたら愉しい」と桒原さん。

北欧では、食事やおやつの時間にテレビをつけている家を見たことがない、という。家族の時間、家族の会話を大事にしていた。そんな生活に影響を受け、「家族の時間を大切にする」桒原さんは、ソファはテレビ向きには置かず、家族が話しやすい配置にしている。

現在、桒原さんは、北欧に関するエッセイ本を執筆中。「本を書き終えたら、子どもたちともっと遊んであげたいし、子どもたちの小さいうちに、ルーツであるスウェーデンに住めたらいいなと思っています」

▲最近つくったばかりのデッキ。食事をしたり、おやつを食べたり、バーベキューをしたりして過ごす

▲子どもたちは退屈しないように、絵本や果物を持ち込んでサウナ小屋にはいる



リフォマガ2023年4月号掲載



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