【THE SHOKUNIN】創作家具で顧客が抱える問題解決の駆け込み寺的存在に

【家具職人】鈴木大輔さん(47歳)

リフォームの営業担当者にとって、熟練の職人さんは大切なパートナー。今回登場するのは家具製作会社の代表・鈴木大輔さん。どんな創作家具にも対応してきた、駆け込み寺のようなエキスパートだ。



現場に関わる人同士で完成形のゴールを設定

オフィスの特注家具や個人宅の家具などを製作しているドロワーズ。神奈川県・綱島に工房を構えるほか、逗子の「ウッドワークセンター」では一般向けにワークショップを開催したり、会員制のシェア工房として道具やスペースの貸し出しも行なっている。

代表の鈴木大輔さんは一人で「相談家具屋」を立ち上げた後、法人化し会社を大きくしてきた。現在スタッフ数は14名に。職人が足りない時は製作に加わるが、現在は営業や現場管理の仕事を主にしている。

鈴木さんが業務を行う上で大切にしているのは、「関わる人と同じゴールを設定すること」。

「現場には家具職人のほか、現場監督、大工、塗装職人など多くの人が入ります。『どういう仕上げにするのか』同じゴールを共有することが大切です」。そのためにはコミュニケーションが欠かせないと、鈴木さんは話す。

特に気を付けているのは、言った言わないがないように、メールのやり取りなど連絡の記録を残すこと。図面も今はiPadでデジタル化したものをやり取りしている。

「紙の図面は混乱の元ですね。以前は図面が新しくなったことに気付かず、前の図面を見ている職人もいて、話が噛み合いませんでした。この業界はさまざまな世代の人がいますが、40代以下はデジタル派が主流になっていると思います」



家具の相談何でも受付
全国から製作の依頼

「相談家具屋」の名前の通り、「納期が迫っている」「このデザインは実現可能か」など、難しい仕事を依頼されることが多い鈴木さん。

独立したばかりの時、教会の木製のシャンデリアの製作を依頼されたこともある。

「まずはシャンデリアの作り方を考えるのが大変でした」。この時は電動工具であるNCルータを使わず、手作業で木材を切り出して完成させた。遠くは島根県から特殊塗料を使ったキッチンの製作を依頼されたこともあった。

「私たちに課せられているのは、お客様が抱えている問題を解決すること。自社で設計、製作、施工管理までできるので、特注家具や造作家具で困りごとがあったら、任せていただけたらと思います」

▲工房で、職人が製作中の造作家具をチェックする鈴木さん



鈴木さんが手がけた家具

▲新築のマンションで、壁面収納(収納とPCデスクを兼用)を希望していた顧客がなかなか納得できるプランに出会えず、知人の紹介で鈴木さんに依頼がきた案件。徹底的なヒアリングを行い、妻と夫の両方から要望を聞き、ラフスケッチを見ながら打ち合わせを重ねた。問題がクリアになったところで図面化し、自社工場にて製作。納品・取り付けまで行った。

▲島根県から依頼があった、キッチンのシンク周りの家具を担当した施工例。相談家具屋がデザインを手掛けた。天板は人工大理石で、塗装はミルクペイントで優しい色味に仕上げた。



推薦の言葉

ヴェルクスタット・ヴァル代表 橋本大輔さん

弊社はオーダーメイドで、オブジェやサイン、門扉、家具、什器などを製作しています。鈴木さんとは私は年齢が同じで、名前も大輔と一緒。加えて、鈴木さんも私も美術系大学を出ていることも共通していました。

鈴木さんの性格はさっぱりしていて兄貴肌。裏表なくなんでも話してくれるので、とてもやりやすいです。それに美術系同士なので、ニュアンスの意思疎通がしやすい。図面がなくて、言葉やラフだけでも、どんな仕上げにしたらいいか理解し合えます。

今後、鈴木さんと木と金属を組み合わせたキャンピングカーの内装を一緒に作れたらいいなと思っています。



鈴木さんからリフォーム営業担当者にメッセージ

「こうしてもらうと嬉しいなぁ」

やりづらいのは、情報を共有するのが遅い人ですね。急ぎの案件だったのに、ずっと電話だけの連絡で、翌日になってからやっとつながったことがありました。急いでいるから電話がいいと思われたのかもしれません。できる営業さんは、日頃から業者との円滑なコミュニケーションを大切にしていると思います。



リフォマガ2022年12月号掲載

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