施工リスクをとことん伝え施主の心のケアを万全に

現場の安全と衛生を守る養生の極意

施主の大切な住まいを、傷や汚れから守る大切な工程が養生だ。特に住まいながらの場合、暮らす施主のストレスをケアする気遣いも重要。形に残らないものの、良し悪しで印象は大きく変わり、養生きっかけで次の受注に繋がることも。こだわりの達人技を紹介する。



言葉と行動で見せる気遣い
ストレス軽減でクレーム防ぐ

リフォーム・新築住宅を手がけるみらいテクノハウスのベテラン営業・大島千広さんは、住みながらリフォームする際の、施主のストレスケアを第一にしている。特に在宅の場合、実際に施工が始まってみると騒音や粉塵が思った以上だった、とクレームへつながるリスクがある。

「どれだけ抑えたとしても、音や埃は出てしまいます。なので物理的な対策だけでなく、お客様のストレス対策に気を配りたい。事前に、ここはこんなふうに気をつけるけど、こうした負担がありますよ、と細かすぎる位にリスクを説明し、理解していただいています」

すると、思っていたほどではなかった、と受け止めてもらえるという。



こまめな清掃で綺麗をキープ

言葉だけでなく行動でも施主思いを示す。出入り口には濡れ雑巾を置き、靴裏の粉塵を取る。休憩に入る時、お昼、など退出する際には拭き掃除・掃き掃除を徹底。そうした姿勢を見せることで、ここまでしてくれているのなら、と理解を得られるのだ。

「養生していればいいや、と気を抜くと、自分たちが生活エリアに汚れを持ち込んでしまう。動く時は特に注意を払っています」(大島さん)

▲特に注意したい住みながらの工事。生活エリア/施工エリアのゾーン分けに気を遣う。上履き・スリッパも履き分ける。



ゴミ管理の徹底

弁当ごみなどは各自持ち帰り。邪魔にならないようにまとめ、見た目にもキレイにまとめる。産廃も回収場所に。



【みらいテクノハウスの養生技】
繰り返し使えるものは再利用
高コスパでエコロジー

何度か使うときは汚れないように工夫

表面が防水エンボス仕様で、拭き掃除もしやすいエコフルガードを重宝している。厚手で丈夫なため、使い回すこともあるが、その際は下地と表面に段ボールロールなどを用いて3層構造にすることで、養生面と表面の清潔は清潔に保てる。


持っておくと便利なつっぱりスタンド

ふすまが下がってきて引き戸が引けなくなっている現場。そんな時、便利なのが、つっぱりスタンドだ。鴨居を上げるとなれば大掛かりなため、スタンドと一時的なジャッキ代わりにすることで、襖建具が取り外せる。


無垢材には注意

床養生の取り合い部には、粘着力の弱いピンク色の養生テープをよく使う。ただし劣化の激しい床や無垢材などでは、それでも痛めてしまうことも。状態をよくみてベタ貼りせずポイント貼りにしたり、マステにしたりと注意する。



お話をうかがったのは…

みらいテクノハウス(東京都杉並区)注文住宅事業部 大島千広さん

子供のころ、学習教材の付録でオリジナルの街を作ったことがきっかけで建築に興味を持ち、新卒で入社。営業歴22年目となり、OBからの紹介や受注が増えている。



リフォマガ2021年10月号掲載



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