初心者のための間取り変更リフォームの現場調査 Part2

リフォーム営業初心者のために、間取りリフォームの現場調査について分かりやすく詳しく解説!間取り変更リフォームのエキスパートを目指そう!



Point4 マンション現場調査の注意点

マンションでは、床の防音性能基準や設備機器の移動の制限など、それぞれ独自のルールがある。起こりうる問題は事前に規約を確認しよう。

▲イラストは、中高層マンションに多い「ラーメン構造」


1 和室の畳を上げて下地を確認

マンションの間仕切り変更では和室とリビングを一体化する工事が多いが、その場合は必ず畳を上げて下地を確認しよう。直床のマンションではコンクリートスラブの上に畳が敷いてあることが一般的。和室には畳を敷くためコンクリートの上にモルタル仕上げをしていないことも多い。そのままフローリングを貼れないので、モルタルで平らに仕上げる不陸調整が必要となる。また2重床のマンションでは発泡スチロールを使った高機能断熱材などが下地材として使われている。フローリングにする際は床高を調整する必要がある。

▲マイナスドライバーときれいなタオルを携帯していると便利。タオルは畳とドライバーの間に入れてテコの原理で持ち上げる。


2 二部屋を一部屋にする場合、天井高に注意

間仕切り壁を撤去した後に天井に段差が生じることがある。二部屋の天井高が異なるからだ。現場調査時に両方の天井の高さを必ず確認しよう。天井を作り直すかどうかで金額が大きく変わる。


3 換気扇のダクトの通り道

換気扇のダクトがどこを通っているか、必要があれば確認しよう。まれに和室の天井裏を通っていることがある。リビングと和室を一体化しようとしたら和室天井裏からキッチン換気扇のダクトが出てきたということもある。ベランダや通路壁のベンドキャップを確認することで通り道を推定できるが、管理センターで図面をコピーする時に、換気設備図面もコピーすると良い。

▲和室の天井裏に換気扇のダクトが通っていることも。

▲左は台所換気扇のベンドキャップ。右は部屋の換気のベンドキャップ。


4 床が直床か二重床か確認する

間仕切り変更には床の貼り換えや補修が必要となる。床材の選定をするには管理規約の確認と、床構造の確認が必要だ。

▲直床

▲二重床(根太工法)

▲二重床(置床工法)



Point5 外せない柱や壁の有効活用術

建物の強度や耐震性を守りつつ計画する必要があるため、希望通りにならないこともある。逆に活かして、提案してみよう。


1 柱と筋交いをインテリアに

軸組構造の柱と筋交いは、ボードを外して表し(あらわし)にすると、壁にするよりも開放感が生まれ、部屋のアクセントとしても楽しめる。また半目隠しになるため、ソファーを置くと、落ち着きのある場所にもなる。但し、表しにする時は木のささくれを落としたり、塗装で化粧をするなど手を加える必要がある。軽量鉄骨はそのままで十分インテリア効果がある。


2 柱型に鏡を貼る

ラーメン構造の建物で目につくのが大きな柱型。この柱型に全面鏡を貼ると、柱型が目につかなくなり、部屋がすっきりと広く見える。更に、姿見としても役に立ち、一石二鳥だ。


3 壁式構造の不要な壁は家具調にアレンジ

壁式構造の建物では構造壁や下がり壁があちこちに残ってなかなか思い通りにリフォームできないが、建物を守る壁なので、うまく付き合う方法を考えよう。壁に棚などを作りつけて活用したり、その棚に照明を組み込んだりと、オリジナルの家具のように作るのも面白い。


役に立った超薄型ダウンライト

マンションのリビングと和室を一体化する工事で、和室部分はリビングの天井高に合わせたため、天井のコンクリートスラブと天井のボードとの隙間は、照明用の配線がやっと収まる程度でした。ダウンライトでのご希望もあり困っていたのですが、ネットで見つけたのが、厚さ10mmほどの超薄型LEDダウンライト。今では調光機能付きのものもあって、照明計画もしやすくなりました。



Point6 間取り変更工事でのNG行為

1 戸建て住宅の場合

設計上の確認をせずに耐力壁や柱を外すのはNG

壁に耐力壁といって、建物を支えている壁がある。例えば在来木造構造の建物では、筋交いが入っている耐力壁は、建物を支える重要な役割を持っている。また柱は建物の重要な骨組みだ。むやみに柱や耐力壁を撤去することはNGだ。

▲邪魔だからとむやみに柱や筋交いを撤去するのはNG


2 マンションの場合

マンション共用部分の許可の無い工事はNG

マンションでは共用部分と専有部分があり、共用部分の工事は原則禁じられているので注意しよう。共用部分とされている箇所は以下の通り。

●躯体・窓

●PS(パイプスペース)

●バルコニー・専用庭

●玄関扉(内部塗装部分と鍵は専有)

●火災報知器、スプリンクラー等

間取り変更工事では、コンクリート壁の解体や、穴を開ける行為、また間仕切り壁を設けるために窓を小さくするなどの行為はNGだ。

▲共用部の窓を2分するのもNG

 

リフォマガ2020年3月号掲載


 

 

⇓⇓同じテーマの記事を読む⇓⇓

年間購読(毎月15日発行・購読料8,800円)のお申込はコチラ

バックナンバーのご購入はコチラ

リフォマガのご案内はコチラ

リフォマガ

『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

0コメント

  • 1000 / 1000