カビや害虫被害を未然に防ぐ
「床下換気」とは、床下にたまりやすい湿気を逃がすための換気システムのことです。従来、日本の住居はその気候風土に合わせて通気性の良い構造になっていました。しかし、耐震性を高めるため、基礎は布基礎となり、床下の通気が十分にできず湿気がたまりやすい住宅も増えてしまいました。その結果、結露が発生しやすくなってカビや構造腐朽を起こしてしまったり、害虫(ダニ・シロアリ)が発生する問題が起こっています。
木材を腐らせる腐朽菌は、家の寿命を縮めることにもつながります。湿気を逃がし、健康被害の原因となる結露の発生を防ぎやすくするためにも、床下換気を導入することが多くなっています。
商品選びのポイント
3つの床下換気から選ぶ
換気タイプの種類により、床下に風を通す方法に違いがあります。
1 排気タイプ
一般的なタイプです。いわゆる換気・空気の入れ替えを目的としており、床下の空気をファンなどで強制的に排出します。
2 給気タイプ
外気を強制的に床下に取り込むタイプです。給気タイプ単独で使用すると加圧となり床下の空気が室内に押し出されるので、排気タイプの補完目的としてセットで使用されることが多いといえます。
3 攪拌(かくはん)/拡散タイプ
床下内の空気を循環させることを目的としています。シロッコファンを使用したタイプが主流で、センター型、コーナー型など設置する場所が違う商品があります。
1分間で理解する床下換気
チェック1 床下換気システムの種類
排気タイプ
一般的なタイプ。基礎外周に設置し空気をファンで強制的に排出する。
給気タイプ
外気を床下に取り込む。排気タイプとセットで使用する。
撹拌/拡散タイプ
床下中央に設置して空気の循環を行う。撹拌と換気が一体になった製品もある。
チェック2 排気ファンの種類
プロペラファン
コストが安いのが特徴。音がうるさい場合も。
シロッコファン
能力高い。音は比較的静か。
クロスフローファン
大きな風量確保できる。コストが高いのがネック。
トレンド
床下換気の最大の目的は、床下湿度を下げることです。害虫やカビ、結露などの発生は湿度の高さと大きな関係があります。機械で強制的に湿った空気を排出し、外気の乾いた空気を取り込むことができる床下換気は、重要度が高いシステムといえます。さらに、においやホコリなどを排出することもできます。
リフォマガ2020年10月号掲載
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