リフォーム営業初心者のために、間取りリフォームの現場調査について分かりやすく詳しく解説!間取り変更リフォームのエキスパートを目指そう!
Point1 現地調査の前にまず確認!
建物の図面を入手し、建物構造の特徴を踏まえた上で図面と照らし合わせてヒアリングと調査を行おう。
1 戸建ての場合
確認申請後の変更に注意
戸建て住宅の場合、施主から渡される図面が建築確認申請時に作成された図面であることが多い。「確認済証」と書かれた書類と一緒にファイルされているものだ。気をつけなければならないのは、築年数が経った住宅では変更届けを出さずに設計変更しているケースが多々あること。図面と現況を照合しながら調査をしよう。
2 マンションの場合
図面は管理センターで入手
マンションの場合、施主から渡される図面は分譲時の「パンフレット用図面」であることが多い。寸法は入っているが、構造の情報に乏しい。さらに転売で入居した場合は、不動産チラシ用の簡易図面であったりする。
躯体構造や設備等の情報が入った図面は管理センターで「竣工図面」を入手しよう。
Point2 構造・工法により難易度が違う!
建物の構造は実にさまざまな工法の建物が存在している。現地調査に臨む前にまずは建物の主な構造・工法を確認しよう。
1 戸建て住宅の構造と主な工法の特徴
2 マンションの構造と工法の特徴
軸組構造
柱と梁で骨組みを作り、筋交い等で耐力壁を設けている。木造、鉄骨造で間取り変更の難易度が違う。
壁式構造
壁(面)で建物を支える構造。間取り変更では構造壁を撤去できない。低層マンションに多い。柱型、梁型はないが、撤去できない耐力壁があり、間取り変更は耐力壁を避ける必要がある。
ラーメン構造
柱と梁を緊結して建物を支える構造。間取り変更しやすい。中高層マンションに多い。柱型や梁型が室内に出てくるが、内部の間取り変更はしやすい。
Point3 戸建て住宅現場調査の注意点
構造や工法によって受ける制限を考慮しながら現地調査を行うようにしよう。
木造軸組構造の場合の注意点
1 天井点検口から柱や梁をチェック
間取り変更で、柱や壁の撤去が必要になる場合は設計士による柱や梁の構造チェックを。抜ける柱かどうかを梁のかかり方などで判断するためだ。梁で補強をして柱を抜くなどの方法を検討する。天井点検口は和室の押し入れ天袋やクローゼット内部など、目立たない場所にある。特に2階部分を支えている1階の柱抜きは慎重にしよう。
2 フローリングの貼り方向に注意
間仕切り壁を撤去したあとの床をどう仕上げるかによって見積もり金額に大きく差がでる。費用をかけたくないからと、間仕切り壁撤去跡を「見切り材で埋めるだけでいい」と言われることがよくある。二部屋を一部屋にする場合は既存フローリングの貼り方向に注意しよう。方向が違うと違和感があるため、やはり貼りかえればよかったということになりかねないからだ。
3 建物の歪みをチェックしよう
レーザーで水平と垂直方向の歪みを確認しよう。垂直方向は、柱や壁のコーナー、建具枠にレーザーを当てるとわかりやすい。築年数が経つとある程度の歪みは生じているものだが、大きな歪みがある場合は要注意。新しい壁は建物が歪んでいても垂直に立てるため、建具や巾木と水平垂直にならず、クレームになりかねない。現地調査時に施主立ち合いでレーザーでの確認をして、不都合がある場合は対策を話し合おう。
4 吹き抜けの床貼り等法規に係る工事に注意
吹き抜けに床を造作することは、床面積が増えるため容積率の確認等、設計上の判断が必要になるので注意しよう。構造上の検討はもちろんのこと、「増床」して容積率をオーバーしないか、確認申請を出す必要はないかの確認作業からスタートすることになる。防火、準防火地域では10平方メートル未満でも申請が必要だ。
リフォマガ2020年3月号掲載
⇓⇓同じテーマの記事を読む⇓⇓
0コメント