一番使われている外壁材 窯業サイディング

優れた耐震性と防火性

「窯業サイディング」は、主にセメント質原料と繊維質原料をボード状に加工した外壁材です。耐震性や防火性に優れ、震災の現場でも古いモルタル壁に比べてはく離や脱落がないことが確認されています。また、和風や洋風の家でも合わせられる豊富なデザインがあることや、工場生産のためコストが抑えられる等のメリットも多く、人気の外壁材です。新築住宅の外壁材の主流となっているほか、リフォームでも建物の保護や美観だけでなく、耐震性や断熱性の向上を目的とした外壁改修にも用いられています。

窯業サイディングはボード自体に防水性がないため、製造する過程で塗料(主にアクリル性)を吹きつけて防水機能を持たせています。年数が経って紫外線による塗料の劣化や、ボードとボードをつなぐシーリングの劣化が進むと、ボードに亀裂が入ったりシーリングが切れたりして雨漏れを起こすことがあります。そのため窯業サイディングは塗装やシーリング打ち替えなどの定期的なメンテナンスが必要です。



商品選びのポイント

「セルフクリーニング機能」と「シーリングレス工法」

近年普及している「セルフクリーニング機能」は、汚れを水分子膜に付着させて雨で洗い流す方法と、光触媒の力で汚れを分解し、雨で洗い流す方法があり、メーカーにより違いがあります。退色などに対する補償の違いもあるので要チェックです。

また「シーリングレス工法」は、ボードの継ぎ目に打つシーリングが殆ど無いため打ち替えの費用がかからず、見た目もすっきりするという工法ですが、この工法を採用しているメーカーは限られます。



1分間で理解する窯業サイディング


チェック! 窯業サイディングと耐震工事

リフォーム向けの耐震性の向上を兼ねた施工技術も進んでいます。「新SAT工法(耐震断熱改修構法)」は、大改修ではなく、窯業サイディングで簡便に補強する工法で、すばやく(S)、安心・安全(A)、耐震改修(T)という意味です。(財)日本建築防災協会の技術評価を受けているものです。この工法は、モルタル外壁の家の改修で行われるもので、モルタル壁をはがさずに既存壁を耐震壁として窯業サイディングで補強し、耐震改修しながら同時に断熱性も向上させるというものです。モルタルを剥がさないため、ゴミが殆ど出ないこともメリットです。さらに特別な部品や部材を使わず、また一般の大工さんが講習を受ければ施工できるという簡便さがあります。SAT工法による耐震改修を行った結果、評点0.6が1.22まで上がったという実施例があります。



トレンド

かつて、窯業サイディングの塗装品は、紫外線などによる劣化に弱いとされていましたが、変色退色30年保証のタイプも登場するなど、耐候性が向上するとともに、防汚機能を持ったタイプも増えてきました。また、太陽の紫外線が当たると、汚れを分解し、雨等で汚れを落とす光触媒を応用した商品も登場しています。

 

 

リフォマガ2020年10月号掲載

 

 


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