営業担当者が知っておきたいメンテ・補修~フローリング~

リフォーム後の定期訪問の時に、施主から補修やメンテナンスについて質問を受けた経験はないだろうか。営業担当者は、不安なことや困ったことを相談できる頼もしい存在。定期訪問を心待ちにされている施主も多いようだ。

アドバイスをする際に気をつけたいのは、特殊な機能を持つ建材が多くなり、メンテナンス方法に違いがあること。建材の注意書きをチェックしておくなどして、お客様に適切なアドバイスができるよう、こころがけるようにしたい。



フローリング

フローリングにも特殊機能を備えた商品が増えてきているので、商品に合ったメンテナンスや補修方法をカタログなどで確認しよう。不具合として多いのは、床鳴りだ。一口に「床鳴り」といっても原因に違いがあるので、補修方法を検討するためにも床の構造や施工してからの年数を確認する必要がある。



【床鳴り】

床鳴りが鳴る場所により補修内容が違う

フローリングの継ぎ目が擦れ合う(さね鳴り)

≪原因≫

フローリングの継ぎ目の凹凸部分(さね)がこすれ合うことで音が出る。比較的新しい床で発生する床鳴り現象。冬場は音がしないのに、夏になると音がするという場合は木の伸縮に起因するもので、さね鳴りが考えられる。直貼りの防音フローリングで生じることもある。

≪補修方法≫

凹凸がこすれて馴染むと音が収まってくる。解消されない場合は音がする継ぎ目部分にカッターを入れて樹脂の補修材を注入する。踏んでから足を上げた時に鳴る場所を探そう。


床下地合板とフローリングの間で鳴る

≪原因≫

床下地合板とフローリングが、たわみなどから接着がはがれてわずかに隙間が生じている。また、フローリングを押さえているクギがこすれていることもある。

≪補修方法≫

継ぎ目に小さな穴を開け、樹脂補修材を注入する。穴は補修材で埋める。


束や根太が鳴っている

≪原因≫

木の伸縮で束や根太がこすれている場合や、木材の間の隙間が鳴っている場合など、さまざまな要因がある。水回りでの床鳴りはシロアリ被害が原因になっている場合もあるので注意したい。

≪補修方法≫

原因に応じて束の高さ調整、材料の交換などを検討する。素人判断では難しい。また木の伸縮に起因している場合は季節が変わると収まってくることが多い。



【ワックスかけ】

フローリングのワックスかけの注意点

フローリングの種類により違いがあるのでメーカーの注意書きを確認しよう。一般的に注意する点は、

●ワックスを直接床に振りかけることはしない。カラーフロアの場合、シミがつくことがある。無垢フローリングの場合は反りや狂いの原因になる。

●キッチン用フロアやサニタリーフロアなどと呼ばれているシート貼りフロアはワックスむらができやすい上、滑りやすくなるのを防ぐため、ワックスではなく水拭きが良い。

●油性ワックスより樹脂ワックスの方が滑りにくい。

●厚く塗ると乾きが悪い上ベタつくので注意したい。完全に乾く前に家具を置かない。

●ワックスを塗り重ねていくと、歩行頻度が少ない部屋の隅などが黒ずんでくる。その場合はクリーナーで既存のワックスを剥がしてから塗りなおすときれいに仕上がる。



【フローリングでよく出る質問】

キャスター付きの椅子は使っても大丈夫?

キャスター付きの椅子でフローリングの表面が剥がれてしまうケースが多い。フローリングの上に部分的にカーペットなどを敷くことがお勧め。カーペットの代わりにCFシートでも。

▲カーペットはキャスターが動く範囲に大きめに敷こう


無垢フローリングの節がグラグラしてきた

パインフロアに起こりやすい。乾燥による収縮で、節に隙間が開くことがある。時にはとれてしまい、穴があくこともあるので、手当が必要だ。瞬間接着材で補修を。マニュキアも補修材として使える。ささくれがある場合もケガをしないうちに補修しよう。

▲パイン材の節がグラグラし始めたら早いうちに補修しよう

 

リフォマガ2020年2月号掲載

 

 

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