機能性と高級感がある内装に 室内塗り壁

調湿機能で室内を快適に保つ

「塗り壁」は、調湿機能があり、自然素材ならではのナチュラルな質感が特徴です。安全性や健康意識を重視するユーザーからのニーズが高まっています。

また塗り壁のメリットは自由度が高い意匠性です。例えば漆喰壁でいうと、日本の建築では昔から漆喰を平らに塗っていますが、コテを使って扇や波などの模様をつけていくと、それだけでヨーロッパ調のラフな仕上がりになります。コテの他にもローラーやハケなどの道具を使ってさまざまなデザインを楽しむことができます。今ではビニールクロス貼りの壁が主流となりましたが、手作りの高級感と調湿効果が高い塗り壁は、改めて見直されてきています。



商品選びのポイント

材料による特徴を知っておく

塗り壁は材料による特徴や施工の違いを確認することが大切です。

漆喰は、消石灰に砂と糊、ひび割れを防ぐための麻スサ(繊維くず)などを加えて水で練り上げた、日本独自の塗り壁仕上げです。城や土蔵で使用されてきました。漆喰壁の表面は、ツルツルしていて白色が基本です。

珪藻土は、植物プランクトンが化石化して出来た土に固化材というつなぎ材を混ぜたものが流通しています。そのため含有量が極端に少ないものでも珪藻土というので、選ぶ際に注意が必要です。

砂壁は、砂で仕上げた塗り壁です。なめらかで美しい仕上がりが特徴で、茶室などで使われます。土壁は、上塗りに用いられる土の種類が、そのまま壁の個性になります。

プラスター壁は、鉱物質の粉末を水で練ったプラスター(石灰または石膏)を用いた壁で、白い輝きが特徴です。「西洋漆喰」とも呼ばれます。



1分間で理解する室内塗り壁

チェック1 模様のバリエーションの例

コテ、ローラー、ハケの塗り方でさまざまな模様が表現でき、ローラーの種類によっても模様は変わります。台所用スポンジを使ったり、素手でパターンをつける方法などもあります。


チェック2 吸放出性70g/㎡/24h以上が基準

JIS規格では、吸放出性が70g/㎡/24h以上ある製品に対し、調湿性能を持つものとして認定しています。こうした基準をクリアしたものが調湿建材のひとつの目安となります。ちなみにこの基準を漆喰はクリアしていません。昔ながらの土壁+漆喰壁なら調湿効果が高かったようです。


トレンド

室内内装の9割がビニールクロスで占められていますが、以前の日本の住宅は塗り壁が主流でした。施工に手間がかかることやクラックが発生すること、またコストの問題などから、ビニールクロスへと移っていったのですが、シックハウス症候群や、調湿機能の重要性への認識が高まったことで、再び注目を集めるようになりました。わずか2日で乾くタイプや、クロス職人でも施工できる塗り壁も登場しています。

 

リフォマガ2020年10月号掲載

 

 

年間購読(毎月15日発行、購読料 ビューアー版8,800円・雑誌版11,000円)のお申込はコチラ

バックナンバーのご購入はコチラ

リフォマガのご案内はコチラ

0コメント

  • 1000 / 1000