ツボを得た提案で、単品の交換が本体や内装リフォームに次々発展!
現地調査でキッチンを見せてもらった時に、まずは使い方をほめるという井谷さん。すると「いや、でも汚いよ」と、顧客自身の口から自然と問題点が出てくるという。受注範囲や金額が広がる、そのヒアリングや提案手法について聞いた。
▲スペースアップ(本社 大阪市)厚木店店長 井谷太郎さん
専門学校で建築を学び、22歳でスペースアップに新卒入社。トップになることを目標に日々仕事に勤しみ、1年目で240件の受注・施工管理を行った。入社3年目で厚木店店長に抜擢される。現在スペースアップで25歳の最年少店長。
【井谷さんのキッチンリフォーム必勝法】
リアルな部材を選べるメーカーサイトを使い濃くヒアリング
3年目にしてスペースアップの厚木店で店長を務める井谷太郎さん。現地調査のヒアリングの際には、顧客が希望するキッチンのメーカーにかかわらず、パナソニックの業務支援サイト「VAポータル」のキッチン見積もりページを用いるという。理由はシンプルに使いやすいから。
「扉の色から水栓の形まで、全ての部材や設備機器を画像で見ながら選べます。1年生でも使いやすいと思います」。
まずはキッチンのサイズや高さ、配置などベースの部分を決めて、画像を見ながら顧客と一緒に設備機器類を選んでいく。扉の色なども基本的には他メーカーにも似た色があり、追って希望メーカーの見積書も出すため、選ぶ分には問題ない。具体的な物を選ぶことで、要望もより具体化して濃いヒアリングができる。また、単品の交換希望の顧客も、自然と本体リフォームもしたい想いが膨らんでいく。
パナソニックのVAポータルを使用
図入りなのでコンロやシンクの配置や、寸法を選ぶ部分がわかりやすい。扉も実際の色で選んでいける。井谷さんはこれにカタログを併用してヒアリングを行う。
割引率の低いものを別発注し
質を落とさずに値引きを実現
1年目にレンジフードやコンロ、キッチン水栓など、とにかく単品交換の数をこなした井谷さん。「1回やった商品を2回、3回と使用すると沁み込むように身につきます」。移動中にはカタログを読み込み、メーカーのショールームに行って一所懸命に勉強もした。
いよいよキッチン本体を含めたリフォームをやるとなった時に、メーカーで見積もりを出すと、本体は50%、60%と大幅に値引きされても、オプションの設備機器類は30%引き止まりだったりすることに気づいた。そこで、「メーカーに本体だけ注文して、オプションのコンロなどは単品どりすれば安くなる!」と思い付いたという。
機能は変わらずに割引率のいいものを探して別発注を提案すると、やはり顧客は「そこまで考えてくれているんだ!」と非常に喜んだ。浮いた金額で「扉は好きな色が選べます」「内装のリフォーム分を賄えます」と引きにもできる。もちろん同じメーカーに依頼したいという場合は無理には勧めない。
単品の交換の場合でもじっくりヒアリングして、目地が汚いのが気になるといったキッチン全体の話も聞き出す。
「そこで、この先20年、30年使うので、しっかり悩んでいい買い物をしてほしいからと、本体リフォームした場合の見積書も出していいか聞きます。嫌という方はほとんどいないです」。
2パターンの提案をすると、予算10〜15万円ほどの単品交換の予定が80万円の本体リフォームに発展することも珍しくないという。
▲「レンジフードの前幕板は発注時に長さに要注意!」と井谷さん。
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