キッチンリフォームの達人に聞く攻略法1

深い商品知識と主婦目線を武器に

打てば響く営業トークを展開

深い商品知識を活かした営業トークで、顧客との関係性を築くのが得意なホームテック(本社・東京都多摩市)のベテランプランナー・彦坂綾乃さん。数々のキッチンリフォームを成功させてきた彦坂さんに、キッチン提案の満足度を上げるノウハウを聞く。

▲ホームテック(本社 東京都多摩市)チーフプランナー 彦坂綾乃さん

専門学校を卒業後、リフォーム業界に就職。2006年にホームテックに転職し、以降2度の出産・育休を経ながら、営業・プランナーの仕事に従事する。現在は大型リフォームを中心に担当。同社で新しく発足した子育て中の女性スタッフ達によるリノベブランド『WAKATTE』の立ち上げにも携わる。


【彦坂さんのキッチンリフォーム必勝法】



全メーカー・グレードの特徴を把握
会話の引き出しの多さが勝負の決め手

「予算に余裕のあるお客様の場合、商品知識の引き出しを多く持っておく事が大切です。全メーカーのグレード毎の機種の特徴を頭の中に入れておき、お客様のお困り事によって、すぐにオススメのキッチンを提案出来るようにしています。」

商品知識は、引き出し収納の深さやワークトップの高さといった仕様のバリエーション、現場に納められるかどうかなど、マニアックな内容に及ぶ。

「お客様から質問された内容が即座に分かり、会話が成り立つ事が大切。打って響いての繰り返しが、信頼に変わっていくと思っています」

彦坂さんは現場経験を積み重ね、商品知識のベースを築いていった。キッチンリフォームは、トイレや風呂と異なり御用聞き営業では通用しない。

「お客様から質問されたらその意図を汲み、お答えしています。〝ガスとIHどちらが良いですか?〞と聞かれて、IHは火が出ないので安全ですよ!と誰が見ても分かる情報はお伝えしません。掃除が苦手な方には、IHは五徳がないので拭き掃除がしやすいですよとか、お子さんがまだ小さく育ち盛りの方には、やっぱり火力があって手早く炒め物が出来るガスがオススメですねとか、+αの情報をお伝えします。若い営業マンも自分で料理してみるといいのではないでしょうか。」



引き出しを見ればわざわざ聞かないでも分かる

現場調査の際は、とにかく引き出しの中を開けさせてもらう。シンク下やガス下の引き出しを開けて、食器の量や食材のストックがどのくらいあるのかを把握する。

「この方はお菓子作りが趣味だなとか、引き出しを見ればわざわざ聞かないでも分かる事が沢山あります。吊り戸の中を見て、タッパーしか入っていないお施主様なら、吊り戸を撤去する提案も考えられます。」

現場調査は、まず着座させてもらい、リフォームのきっかけや世間話をひと通り行い、打ち解けてから行う。扉の中ももちろん了承を得てから開けさせてもらう。ヒアリングもあまり形式めいた事は行わず、次ページで紹介するヒアリングシートを活用しつつ、9割は雑談。1割は会社説明など営業活動を行う。

「なるべく事務的にならないように、無駄と思われるような話の中で情報を引き出すようにしています。」



彦坂さんのキッチン選びのノウハウ

彦坂さんに、日頃よく行う商品選びの工夫を聞いた。


狭い空間は収納が充実したLIXIL『リシェルSI』

幅が1950㎜など狭い空間の場合は、収納が充実したLIXILの『リシェルSI』を活用。3次元で空間を活用出来るプランを提案する。

「リシェルは、3段の引き出し収納で、カップボードも充実しています。吊り戸に付けるクイックポケットも簡単に開けられ、吊り戸の下部にある凹みの中に納まるので邪魔になりません。広いスペースに置ける場合だったらシエラでも十分かもしれませんね。」

▲クイックポケットの使いやすさに太鼓判を押す彦坂さん。『リシェルSI』のみに取り付けられ、『アレスタ』なら水切りになる1段タイプのクイックパレットが付けられる。


元々ホーローの場合はクリナップ

元々がホーロー製キッチンだと、30年以上前の物で所々塗装が剥げていたとしても、とても綺麗な状態で使っている施主が多い。施主もホーロー製の良さを分かっているので、木製のキャビネットはオススメ出来ない。新規でもホーロー製のキッチンを提供したい所だが価格面の事も考え、同じく耐久性の高いクリナップのステンレスキッチンをおススメする事が多い。

▲ステンレス製のキッチンで有名なクリナップ。これまでと同等の耐久性にも配慮して提案する。


元々人大の場合はトクラス

元々人工大理石のカウンターを使っている現場も多い。その時はトクラスの人造大理石を提案する事が多い。

「トクラスさんの人造大理石は圧倒的に質が良いですし、雑に扱っても大丈夫という安心感があります。コーティング剤まで売っていて、自分でメンテナンス出来る点も良いなと思います。」

▲人大のキッチンならトクラスをイチ押し。自分でメンテナンス出来る点が強み。



ヒアリングシートの活用で現場調査をスムーズに

彦坂さんは、会社で用意されているヒアリングシート『Lifestylekarte』を活用。

「現場調査の際にお客様に話しかけられてしまうと、採寸に集中出来ず、見落としや測り忘れが出てしまいます。」

質問票がある事で予算や競合の存在が聞けたり、会話の中で聞いていた事を改めて確認したりする事も出来るため、重宝しているという。

▲家族構成やリフォームへの要望を細かく把握出来る。

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