3~4社に及ぶ相見積もりによって低下する成約率、さらに契約後も工事中のトラブルや施主対応など、外装リフォームは課題が山積だ。今回は、外装リフォームで活躍するリフォーム店や塗装店たちが、これらの問題を改善するために活用し効果を発揮している営業資料やツールを大公開。
PART1 商談・現場調査
会う前の段階で塗装の知識・情報をプレゼント
初対面で好意的な人が殆ど
年間80棟ほどの塗装工事を行う花まるリフォームは、問い合わせがあり、現場調査を行う前の段階で、資料一式を送付するプロセスを設ける。
「これから外壁塗装を依頼する人にとって、スターターキットのような資料です」(高橋代表)
資料は、塗装会社を選ぶ前にユーザーが知っておくべき業界の常識や、塗料や工事の知識など充実した内容。
「事前に情報をお伝えする事で、花まるリフォームの考え方を知って頂き、依頼するかしないか、判断してもらう事が狙いです」。
情報や知識をもらえる事に対して感謝される事が多く、好意的な状態で迎え入れてくれる顧客が大半だ。顧客アンケートも効果的。「〝小さな会社だけど大丈夫〞と選ばれるポイントになっています」。
ツール1 ガイドブック
【ココが技ありpoint 1】
問合せ前に知っておきたい情報を1冊に凝縮
元々問合せ客に送付していた小冊子にプラスして送っているのがこのガイドブックだ。外壁塗装を依頼する前に、施主が知っておくべきあらゆる知識を1冊に凝縮している。
▲外壁劣化のサイン、住宅構造や下地、サイディング外壁の種類、費用相場などをビジュアルで分かりやすくまとめている。
ツール2 ニュースレター
▲設立当時から年に4回発行しているニュースレター『はなまる通信』も同封。全8頁のボリュームで、毎回1000件以上の顧客に発送している。ペット写真コンテストや、工事の豆知識、職人紹介などコンテンツが充実している。
ツール3 小冊子
▲小冊子は、塗装店や塗料を正しく選ぶための、知識やノウハウを約60頁にまとめた、高橋代表の力作。これまで約3000世帯の人に読まれているという。平成17年に初版を発行し、平成29年時点で12版を重ねている。
▲これまでの経験や培った技術を元に業者選びの視点をまとめた。
ツール4 お客様の声
温度感のある「生の声」が何よりの営業活動に
完工後のお客様アンケートを「お客様の声集」という1冊の冊子に製本。どれも熱のこもった回答ばかりで、高橋代表の人柄や営業努力が伺える。こうした生の声そのものが貴重な営業資料になる。アンケートの内容は、冊子の他、WEBやニュースレターなどあらゆる自社メディアに掲載している。
【ココが技ありpoint 2】
施主が沢山書きたくなるアンケート用紙の工夫
施主に完工後の感想を伸び伸びと書いてもらうため、アンケート用紙の回答スペースをあえて大きく設けた。また回答内容は、未来の顧客の会社選びの判断材料になる事が前提。「他社との違い」「契約の決め手」「思っていたより〇〇だった所は?」など自社の評価点を具体的に記述してもらえる質問を設定する。
▲これまでこうした冊子の制作は、社内で印刷・製本していたが、ここ2~3年は、WEB印刷会社の「ラクスル」を活用し業務を効率化している。
工事中の疑問を一挙解決
ひと手間で顧客対応が軽減
工事の前には「花まるファイル」という、これまで施主からよく受けてきた質問の回答や、工事中に起こりえるトラブルの対応方法、知っておいて欲しい事等を1冊にまとめた資料を貸出する。
「これはホテルの部屋にあるファイルをイメージをして作ったのですが、回収が大変なので、これもまた1冊の冊子に印刷・製本し、差し上げるスタイルにしようと思っています」(高橋敦子さん)
▲職人紹介
【ココが技ありpoint 3】
トラブル時の応急処置お施主様にやってもらう
塗装工事中、ガス器具や給湯器が使えなくなるという不具合やトラブルが発生しがちだ。ただ、夕方の問合せだったり、遠方の現場だったりすると、当日中に駆け付ける事が難しい場合がある。そこで、施主自身が処置出来るよう、器具の操作方法を写真入りで分かりやすくまとめた。即座に解決出来るため喜ばれる。
▲トラブル対応
公開して頂いたのは…
▲花まるリフォーム(東京都世田谷区)高橋良一代表
現在53歳。家業である高橋塗装店で20年間現場一筋で働き、主に一般住宅の塗り替えを多く手掛ける。この経験をきっかけに、一貫して自社で足場を組み、最後まで施工するスタイルを貫く。2005年に花まるリフォームを設立。世田谷区を中心に、外壁・屋根の塗装工事を手掛ける。足場から簡易補修を含めた「完全自社施工」中間マージン無しの「お客様直接取引き」形式で信頼を得ている。
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