KURASHIをたのしむVol.6 置き方や見せ方をひと工夫すれば部屋はもっと素敵に

オリジナルの家具やセレクトした雑貨を扱うインテリアショップ「イデー」のビジュアルマーチャンダイザー・小林夕里子さん。商品を魅力的に陳列し、且つ見やすく、選びやすい、心地よいお店づくりを心がける。その飾る技術は家づくりにも反映する。VMDの仕事をするきっかけや居心地よい部屋づくりについて聞いた。


▲良品計画(東京都豊島区)イデー事業部 ビジュアルマーチャンダイザー 小林夕里子さん

大学の英文科を卒業後、インテリア会社で秘書として働き、その後インテリアコーディネーターの資格を取得。家具屋で5年ほど販売に携わる。2007年、株式会社イデーに転職。VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)部署の立ち上げから関わり、現在は4店舗のVMD担当。ものを大切にしながら暮らす自身のライフスタイルが注目され、女性誌などで多数紹介されている。1年前に結婚。



赤毛のアンがきっかけ

ただ並べるのではなく、商品の魅力をいかに顧客に伝え、どのように購買に繋げていくかを考えながらディスプレイしていく。ビジュアルマーチャンダイザーとして「イデー」の4店舗を監修する小林夕里子さん。

インテリアに興味を持ったきっかけは、子供の頃に読んだ「赤毛のアン」。

「”モスリンのカーテン”とか”マホガニーの家具”などの描写が出てくると、海外のお部屋を想像しながら読んでいました」

就職試験はインテリア会社に絞り、念願かなって入社したものの秘書課に配属。その後、家具屋で働いた5年間もディスプレイに触れられなかった。

イデーに転職して、ディスプレイを自由に任され、VMD部署の立ち上げに参加。現在は、現場で学んだ経験をスタッフに教える立場となり、4店舗を駆け回る。



座ったときの目線に合わせて

小林さんは2年前に中古マンションを購入し、リノベーションに挑戦した。

「3DKの昔ながらのマンションで、ベランダに面した洋室と和室、奥がダイニングでした。壁を撤去し1LDKの間取りにしたら、キッチンで料理している時は外の景色が見え、朝ごはんを食べる時は窓を開け放つと気持ちいいだろうな」と想像して購入を決めた。

朝日が燦燦と入ってくる朝食の時間が一番好きだという。

「朝日が昇ってくるのが見えて、光が飾っているものにあたって、ちょうど目線の位置に一番好きなものが置いてあってとか考えながらレイアウトしています」。

座ったときの目線に合わせて、ものをどう飾るかを考える。好きなものに囲まれて暮らすことは、心地よく、気持ちを豊かにしてくれる。平日は21時ごろ帰って夕食をとり、1〜2時間くらいのんびり過ごす。

「仕事自体は好きですが、くつろぐ時間を過ごすために働いているようなもの。その大切な時間をどれだけ好きな空間で過ごせるか考えます」



テイストごとにグループ分け

雑然と置いたものを、少し工夫しグループに分けて並べただけで、部屋が整って見えたり、心地よく感じたりする。

「素敵な見せ方や置き方、空間の使い方はお店も部屋も同じ。例えば手持ちのもの全部を一緒に組み合わせると合わなくなります。お店では新しい商品が入ってきた際、既に飾ってある中に無理やり並べないで、一旦テーブルの上をさらにし、テイストごとに分けます。家の中でも、ものをグループ分けしちょっと離して飾ってみてください。何回も繰り返していくうちに”これとこれは合う”と分かってきます。いろいろチャレンジしてみることが大切ですね」と小林さん。

さらに、部屋の色の割合を考えながら、ものを入れていくと全体がまとまりやすいという。壁や床などのベースカラーは部屋の7割、ソファなどメインカラーは2.5割、クッションのアクセントカラーは0.5割と意識して組み合わせると部屋が落ち着く。

「もう1色入れてみるとか、ちょっとずつアレンジしていくと、自分なりの個性も出てきて、より居心地がよくなると思います。また見せる部分、収納部分のメリハリをつけると、飾るものが映えてきます。例えば本棚なら、収納の扉をつけて見えないようにし、飾るものだけ目に入るようにするとよいですね」と小林さんはアドバイスする。



自宅を拝見

2年前にマンションを購入。壁を全て取り払い、開放的な家にリノベーション。小林さんの愛着あるものに囲まれた素敵な部屋を紹介する。

▲ポスターや花器、オブジェなどが美しくレイアウトされたリビング。「平日の夜は、ソファに座って映画を見て過ごす」そう。

▲さりげなく掛けたカゴやエプロンがインテリアとして大活躍。

▲赤茶のデスクに合わせてレイアウトを整えたスペース。

▲キッチンの背面は見せる部分と収納部分にメリハリをつけ、道具や雑貨はグループに分けてディスプレイ。

▲ダイニングテーブルの黒い椅子が、小林さんの定位置だ。座ったとき、目線の高さになるサイズのキャビネットを特注し、お気に入りのアイテムを飾っている。

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