10年後も依頼されるOBフォロー術~03 ワカバヤシ 那須政徳 リ・ライフ部課長

何かあったら”ワカバヤシ”の名前を
台風の直前に連絡する顧客リストも


▲ワカバヤシ(神奈川県横浜市)那須政徳 リ・ライフ部課長



会社概要

昭和32年創業。新築・リフォーム・不動産と住宅総合サービスを手掛ける。昭和44年よりパナソニックホームズと代理店契約を結ぶ。リフォーム事業は、本社と天王町・鶴ヶ峰にPanasonicリフォームClubとして2拠点を展開。営業マン10名で年間約7億円を売上げる。



OB顧客を飽きさせない事が大切
季節のイベント開催や弔事の把握も

「OBのお客様を飽きさせないように、また何かあった時にワカバヤシの名前を思い出して頂けるように年間を通じて様々な取り組みを行っています」と話すのは今年の4月よりリフォーム事業部の責任者を務める那須政徳リ・ライフ部課長だ。

同社では、インフォメーションレディーと呼ばれる2名の女性が3カ月に1回の頻度でOB顧客を訪問。季節ごとのリフォームメニューを記載したチラシやニュースレターを持参し、会社から半径5キロ、車で30分圏内のエリアを訪問する。

ただ、同社の特徴はOB顧客の記憶に自社を留めとくため、年間を通じて様々な取り組みを行っている点にある。例えば地域住民を対象にした餅つき大会や工作教室を始めとしたイベント開催から、毎年富士山から送る暑中見舞い、VIP顧客を招いた屋形船による花火鑑賞、また災害時の対応や顧客の弔事の把握にも務めている。季節に応じたイベントや、施主の暮らし、時には人生まで寄り添う事で、OB顧客やその家族との確かな関係性を築いている。

同社のリフォーム事業では、売り上げ金額の85%をリピート工事や紹介受注で占めている。このような取り組みがOB顧客や地域住民との関係性が下支えとなっているといっても過言ではない。



ワカバヤシ・那須さんの顧客を飽きさせないOBフォロー術

住まいの困り事があった時に、自社の名前を思い出してもらうため、年間を通じて様々な取り組みを実践している。詳しく見ていこう。


1月 餅つき大会を開催

餅つき大会や、アパートオーナー向けに確定申告セミナーなど地域イベントを開催。確定申告セミナーでは、税理士を招き、無料相談コーナーを設ける。


7月 夏休み工作教室が人気

OB顧客の他、地域の子供達を招いて、工作教室を社屋内で開催。椅子や鳥カゴ、賽銭箱風貯金箱など趣向を凝らしたテーマで木材のキットを用意する。


7月 富士山の消印で暑中見舞いを1000枚以上送付

毎年の夏、会社の選抜スタッフ5~6名での富士登山が恒例イベントになっている。富士山の消印でOB顧客に暑中見舞いを送付する事が目的だ。その数は1000枚以上に及び「縁起が良い」と喜ぶOB顧客が多い。中には「自分も登りました」という人もいたとか。


8月 花火大会の日に屋形船に招待

8月初旬に横浜のみなとみらいで行われる花火大会の日に合わせ、毎年屋形船を決行。その年に、新築を建てたり、大型リフォームをしたりした顧客を約20組を屋形船に招待する。「甲板の上から見ると、花火も音も大きくとても迫力があります。海の上から花火を初めて見る方も多く、皆さん感動されています。もう20年以上は続いていますね」ちなみに、屋形船の船頭さんも同社のOB顧客だそうだ。


9月 台風襲来の前日に電話連絡を入れる

台風の前日や当日に電話連絡を入れる500人ほどのOB顧客リストを用意している。台風の襲来が分かると、社内にいるスタッフで手分けし、1人当たり20人ずつOB顧客に電話かけを行い、「雨戸を閉めてくださいね」など注意事項を伝達する。昨年の9月の台風15号襲来直後も問い合わせが殺到するため、那須さん含めアフター部門のスタッフと泊まり込みで待機。去った直後の問い合わせはそこまで多くなかったものの、その後140~150件に及ぶ問い合わせに対応した。


12月 カレンダー配布や年賀状の準備


その他 

同社ではOB顧客の命日なども管理している。顧客との関係性に応じ、1周忌には担当者とその上司でお線香をもって訪問する事も。

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