小屋裏と床下の点検作業は多くのリスクを伴い、事故につながることもある。国土交通省が策定したインスペクション(注)では基本的に点検口からの目視確認となっている。しかしリフォームの現場では潜入しての確認が必要となることもある。潜入する際は以下のリスクを念頭に置いた上で臨むようにしよう。
(注)国土交通省が2013年に策定した建物診断のガイドライン。建築士などが劣化の状況や欠陥の有無などを調査するもの。近年中古住宅を売買する際のインスペクションが注目されている。
小屋裏点検
内部が高温になるため熱中症に注意
特に夏場は50度前後にまで上昇するので内部潜入は極力避けよう。他の季節でも潜入の場合は下で先輩などに待機してもらうのが望ましい。
電線を踏む危険
小屋裏には電気配線や換気ダクトが通っているため、つまずいたり踏んだりする恐れがある。誤って電線を傷めるとショートする危険がある。配線などの近くに行かないようにしよう。
天井板を突き抜ける危険
小屋裏を歩く場合は梁の上を慎重に歩こう。暗い上に断熱材が敷き詰められているため足元が見えにくく、誤って天井板を突き抜けてしまう危険がある。
床下点検
無理して進むと戻れなくなる
築年数が経った家では奥に行くほど床下の高さが低くなる(正確には地面が盛り上がってる)ことがあるので無理をして進んで戻れなくならないよう注意しよう。人通口(人が通るために設けられた基礎の開口)が配管で塞がれている場合、無理に入ると危険だ。一方、シロアリ駆除等で人が入った時に基礎を斫って穴を開けたというケースもよくある。慣れた業者なら入れるような小さな穴、しかも周囲にコンクリート片が散らばっている。入ったものの出てこれなくならないよう気を付けよう。
お客さんが穴に落ちる
お客さんが床下点検口のフタが空いていることを忘れて落ちる例がある。点検口の前に「点検作業中注意」と書かれたカラーコーンを置くなどの工夫をして注意を促そう。
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