知っておきたい建築用語集「設計」

現場調査に慣れない頃は、初めて聞く理解できない用語が出る度に戸惑うこともあるだろう。だが知らないということはお客様目線でものを見ることができるということ。理解さえすれば、お客様にもわかりやすく説明できるようになるはずだ。まずは「これだけは覚えておきたい」という用語をマスターしよう。


【設計に関する用語】

●北側斜線(きたがわしゃせん)

南からの日差しを最大限に取りいれようと敷地の北側ぎりぎりに建物を建てた場合、その建物の影で北側の隣家の日差しを妨げてしまうことになる。「北側斜線制限」は、そうした問題を防ぐ目的で設けられたルールだ。イラストのように高さ関係で建てられる範囲が制限される。「北側斜線」から建物の一部がはみ出す場合は、出た部分をカットすることになる。その場合、2階北側天井は途中から斜めに下がる。


●芯々(しんしん)

柱や壁の中心から中心までのことで、この寸法を「芯々寸法」という。設計図の寸法は芯々寸法が用いられている。一方、壁の内側から内側までの長さは「内法寸法(うちのりすんぽう)」という。内法寸法に似た用語に「有効寸法」がある。有効寸法は設備機器などを入れる際、確実に入る寸法という意味合いがある。


●PS(パイプシャフト・パイプスペース)

縦方向の各種配管(給排水管やガス管等)を通すためのスペースで、垂直方向に上下階の床天井を貫通している。マンションではPSは共用スペースとなっている。一戸建て住宅に於いても2階にトイレやキッチンなど水回り設備を設置することが多くなり、1階にPSを設けることが一般的になっている。「パイプシャフト」と読むか「パイプスペース」と読むか迷うことがあるが、どちらでもOK。


●モジュール

建物の単位寸法のこと。日本の建物では昔から「尺モジュール」が用いられている。平面図を見ると、芯々寸法が3尺の倍数(910mm、1820mm、2730mm)などとなっている。住宅建材についても、多くの商品が尺モジュールをベースにしている。近年バリアフリー化が進んだこともあり、「メーターモジュール」(1000mm単位)など、独自のモジュールを採用して廊下や開口などを広くしている住宅メーカーもある。

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