施主や職人と強固な信頼関係を築き 仕事が途絶えないコーディネーターに

今回紹介するのは、CHIC INTERIOR PLANNINGの荒井詩万さん。日本女子大学家政学部を卒業後、設計事務所に秘書として勤務。在職中に「町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー」で2年間学びその後フリーに。現在は戸建てやマンションのインテリアコーディネート、リノベーション、その他セミナー講師や、雑誌の企画・監修、空間プロデュース、商品開発、メディア出演など多方面で活躍中。インテリアコーディネーターとして積み重ねた知識と経験から部屋づくりのルールを紹介した著書『今あるもので「あか抜けた」部屋になる』がサンクチュアリ出版より好評発売中です。

▲CHIC INTERIOR PLANNING 荒井詩万さん

県外からの問い合わせも契約率100%の理由は?

CHIC INTERIORPLANNINGの荒井詩万さんは、リピーターや紹介、長年続けているブログの愛読者からの問い合わせ依頼が多く、仕事が途絶えた事がないという。契約率はほぼ100%。県外からの依頼も多いというカリスマコーディネーター・荒井さんが顧客から支持される理由は、「お願いして良かった」と施主に思ってもらえるプランづくりの腕があり、プランを忠実に再現するべく現場や職人とのコミュニケーションを大切にする姿勢を大切にしているからだ。またそんな日々の取り組みをブログ等のSNS媒体で日々情報発信する事で、新たな仕事が舞い込むという好循環を生み出している。


ルール1 何を出来るか積極的に情報発信する

「仕事の依頼は待っていてもきません」と話す荒井さんは、ブログやfecebookといった各種SNSを活用し、日々手掛けている現場やセミナーといった様々な仕事の様子をアップ。「自分が何を出来るのか、どんな仕事をしているのかの情報を発信する事で、ビビっときたお客様や企業の方からお問い合わせを頂いています。」多忙な荒井さんであるが、移動中の空いた時間にスマートフォンでテキストを入力しておくなど、時間の合間を縫って更新する。


ルール2 クイックレスポンスで信頼を獲得

新規で仕事の問い合わせがあった時などは、特に早いレスポンスを心掛けている。返信スピードの早さは〝この人なら話も早そう〟という好印象に繋がる。またお客様からの質問にも、丁寧に早く答えるようにしている。すぐに調べて返信することで、不安な点をいち早くクリアすることができ安心してもらえるからだ。また、業者や職人への支払いも期日前にきちんと済ませる。どの立場の人にもクイックレスポンスをすることで、信頼度アップにつながっている。


ルール3 メールや電話で済ませず現場に足を運ぶ

時間があれば、たとえ5分くらいでも現場に足を運ぶようにしている。荒井さんがマメに足を運ぶことで、現場に良い意味で緊張感が生まれる。メールや電話では伝わらない細かいおさまりなど、現場に行くことで詳しく話合うことができて間違いがない。また、現場の養生がしっかりされているか、整理整頓されているかを確認する事も自分の仕事だと話す。「日頃から現場が綺麗だと良いものが出来ると思っています。職人さんたちが現場で丁寧に工事をしているかどうかは、お客様の印象を左右するのでとても大切です。」


ルール4 プランはコンセプト設定に心血を注ぐ

▲ここで荒井さんがいうコンセプトとは、「ナチュラルモダン」や「男前インテリア」といったふんわりとしたものではなく、その施主ならではの暮らしのコンセプト。これにより、コーディネーターとしての存在意義が生まれてくる。

プランニングで最も心血を注ぐのがコンセプト設定だ。「プランにコンセプトがあるかどうかで説得力が違います。コンセプトありきで、デザインや色・素材を選ぶことでそのオリジナリティを出すことが出来ます。」ある男の子が2人いる家族は、沢山の本を所有していたが、本類は別の部屋で管理するためリビングに本棚は要らないという考えだった。「共働きで日々忙しくされているご夫婦でしたが、夜に5分でも10分でもお子様達に本を読み聞かせる時間を大切にされていました。」家には夫婦の本だけではなく、恐竜の本や図鑑等子供向けの本も沢山見られた。今もそして子供達が成長した何年後かも、本がこの家族の重要なコミュニケーションツールになっていると確信した荒井さんは、敢えてリビングに造作の本棚を持ってくるプランを提案。コンセプトは「本棚のあるレイドバック空間」。リビングに本棚は要らないと言っていた施主に提案するのは勇気がいったが、見事一発OKとなった。


ルール5 顧客・職人とはオープンマインドで

初回の打ち合わせでは、オープンマインドを心掛けている。「暮らしの細かな事をヒアリングするためにもまずは自分から心を開きお客様を構えさせてしまわないように心掛けています。」職人とのコミュニケーションも大切にしている。現場を離れて喫煙をしながら休憩をする人が多いので、その時間に差し入れを持っていくことも。「一緒にお茶を飲んだりしながら、あれこれ話をすることで現場の雰囲気が和みます。皆さんで〝良いものをつくろう〟というムードづくりも、インテリアコーディネーターの大事な仕事です。」


ルール6 ファッション、食、流行…etc 様々な事にアンテナを張る

ファッションや食、新しくオープンした商業施設など、常に様々な分野にアンテナを張り情報収集する。「お客様から〝あの感じ〟と言われた時にそれを知っていると、そこから話を拡がります」雑誌は『家庭画報』や『ELLE』などをよくチェックし、ターゲット顧客層である30~40代ファミリーが読むような『VERY』『STORY』といった雑誌も目を通すようにしている。またインスタグラムなどはkitkempやsophiepatersonなど海外デザイナーのアカウントをフォロー。「海外デザイナーはコーディネートの実績の他、自身のライフスタイルなどもアップされていてとてもおしゃれですよ」(荒井さん)


ルール7 セルフブランディングで設定した自らの目標に向う

26歳の頃、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミーを卒業し、友人や知人宅のコーディネートを手掛ける所から、コーディネーターとしての仕事をスタートした。はじめは、仕事をもらえればフィーはあまり関係ないという時もあったが、フリーランスのインテリアコーディネーターとして実績を築いてきた今、自分がおもしろい!楽しい!とワクワクする仕事をしたいと思っている。また、自分で目指す年収設定をすることで、それに向けてどう仕事を選択し、手がけていくのかを大切にしていきたいという。

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