複数の世帯が暮らすマンションは、管理組合が定めた「管理規約・細則」に基づいてリフォームを行う必要がある。また建物の構造上「できること」と「できないこと」を見極めることも重要なポイントだ。
ポイント① マンションのルールを確認しよう
マンションリフォームは、マンションによって違うルールを確認することから始まる。また、リフォームできる「専有部分」の範囲は「区分所有法」で明確にされているが、窓のように「共用部分」であってもマンションによって工事の可否が分かれるものもある。
◆リフォームできるのは「専有部分」
「区分所有法」に基づき、区分所有者が自由にリフォームできる「専有部分」と所有者全員の共有であるため自由にリフォームできない「共用部分」に分けられている。
◆「管理規約」と「使用細則」
「管理規約」は、マンションの区分所有者で構成される管理組合での決議によって定められた規約。専有部分の工事についても、管理組合への届け出方法や、使用できる床材の遮音性能等々、マンションごとに違う規約があるため、事前に確認する必要がある。
また「使用細則」は、区分所有法や管理規約で定められた事項について具体的に手続き等が行われるよう詳細をまとめたもの。
【クローズアップ】事前に確認したい内容(工事内容により違う)
◆ 管理組合への届け出
マンションによって、書類の内容や承認が下りるまでの期間が違う。承認を得るために月一度の理事会にかける必要があるというマンションの場合、タイミングによってひと月以上待たされることもある。
◆ (必要に応じて)電気容量の限度確認
マンション全体での容量に限度があるため、各戸に割り当てられた最大電気容量がある。容量アップが必要になる場合は確認が必要だ。(ガスコンロからIHに変更する工事等)
◆ (必要に応じて)床の遮音性能
階下への音配慮のために床材の遮音性能が定められているマンションが多い。中には上下両隣斜めの区分所有者の承諾印を求める場合がある。借家の場合は区分所有者に郵送で書類を入手する必要があるので急ぐ工事では注意しよう。
◆ 工事ができない曜日・時間
例え音が出ない工事でも、曜日と時間を守る必要がある。日曜日と祝日に加え、近年は土曜日の工事も禁止されているマンションが増えている。工事時間は5時までの場合が多い。
アドバイス① 動かす事が出来ない箇所の現場調査をしっかりと
まずは部屋の環境をチェックします。結露の有無や日当たりなどが間取りの設計に関わってくるからです。また基本的なことですが、キッチンであれば排水・排気口といった、動かす事の出来ない箇所を確認しておくことも重要です。
アドバイス② インターフォンや火災報知器エアコンの設置場所にも注意
コンクリートやサッシ等は共有部なので原則的に工事する事は出来ませんが、インターフォンや火災報知器、スプリンクラーなどの室内にある防災機器にも注意が必要です。共用の様な扱いで自由に撤去・交換できません。その他にエアコンも、設置によって必要になる冷媒管やドレン管のルート、室外機の置き場などを考慮しなければなりません。
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