【設備建材基礎知識】壁紙とは異なる風合いやデザインを室内塗装

室内の内装仕上げの方法のひとつとして塗装にも注目。色数が豊富な塗料は自由度が高い内装材で、重ね塗りや塗り分けも自在だ


塗装仕上げの魅力とは

壁の仕上げはクロス仕上げが主流だが、近年、塗装を取り入れるケースも増えてきた。インテリアにこだわりを持つ層に支持されている。

塗装の一番の魅力は豊富な色。混色によりオリジナルの色を作ることもでき、色の数は無限と言える。

また、色の塗り分けも自在。クロスと違い、色を変えても境目に継ぎ目ができない。壁の一部の色を変えてアクセントをつけたり、色を塗り重ねたりと自由度が高い。質感、色味で塗料を選ぶ 塗料には、色だけなく、艶の有無によるテイストの違いもある。艶の度合いにより質感に違いがあるのも面白い。質感が違えば部屋の印象が変わる。

艶があるほど、汚れを落としやすいというメリットがあるので、汚れやすい場所には艶ありを選ぶとよいのだが、艶消しは、光の反射を抑えて落ち着いた雰囲気になる点が人気だ。



クロス仕上げとの違い

内装材として魅力的な塗装だが、クロスに比べると、施工に手間と時間がかかるというデメリットがある。作業に手間がかかるだけでなく、乾燥させるための時間も必要になる。手間がかかる分、施工費も高くなる傾向がある。

一方、重ね塗りができるため、一部分だけの補修も容易だ。模様替えの際も重ねて塗れるからクロスをはがす必要がなく、廃材が出ない。塗装のメリットはリフォームを繰り返すほど活かされるとも言える。


塗料選びは安心安全を第一に

室内塗装の場合は、塗料選びをより慎重に行う必要がある。

揮発性有機化合物(VOC)含有量が少なく、安全性が確認されている塗料を選ぶことは必須だ。

たとえば、日本塗料工業会に登録されている塗料なら、ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆が目安。

塗料には臭いがきついなど、悪いイメージを持つ人もいる。臭いや刺激が少なく、安全な塗料を使うことを説明したい。




【提案時の注意点】

塗料と床材の色味をマッチング

日本ペイントホールディングス(東京都品川区)

経営企画本部ROOMBLOOM推進グループ 柳谷典子さん

室内塗料選びで気を付けることは、3つあります。1つは、塗料と床材の色味をあわせることです。床は、壁に次いで部屋を占める面積が多く、床と壁の色の組み合わせをよく考える事で、部屋の色彩の調和を図れます。例えば、黄色が強い床材の場合、黄色がかった色味や緑が調和を取りやすいです。

2つめは、光の当たり具合で、色の見え方が異なること。室内で使用する照明や、その部屋を長く使う時間帯が日中か夜間かどうかを確認します。

3つめは、日本は地震が起きやすい国で、クラックというヒビが入りやすいこと。これは石膏ボードや塗膜に出やすいもので、一時的に隠しても復活する。ヒビが気になる方には、ペイント用の壁紙をご提案しています。



【室内塗装のメリット】

◆色数が豊富でオリジナルカラーも作れる

◆色の境目に継ぎ目ができない

◆質感が美しく、おしゃれ

◆汚れた部分だけのメンテナンスが可能

◆塗り替えの際に廃材が出ない




【安全性が高く施工性のよい塗料を選ぶ】



【プロの視点】DIYの「下地作りをプロが請け負う」というプランも

DIYに興味のある顧客があれば、施工性のよい塗料を選ぶことで、壁の塗装はDIYも可能だ。塗装において、難しいのは、下地作りや養生。これらの違いで仕上がりに差が出るともいえる。DIY希望があれば、下地作りや養生はプロが請け負うというプランも提案してみよう。

また、クロスの上から塗れる塗料は、クロスを剥がす手間もなく、廃材が出ないのでリフォームに最適と言える。ただし、現状のクロスをしっかりチェックし、プライマーで下塗りを施すとよい。剥がれや破れなどクロスの状態が悪ければ、クロスを剥がして、しっかり下地を作るという方法を取る方がいいケースもある。丁寧な下地作りできれいな仕上がりを目指そう。

 

  

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