築100年の古民家の良さを残しながら耐震性と機能性を高めたリフォーム
▲タカラ産業(岡山県津山市)春名久子 さん
古民家の素材を活かす
▲リフォーム後は梁を見ながらお酒を楽しむ時間が増えたそうだ。
築年数100年になる古民家のLDKのリフォームを担当しました。お客様は50代のご夫婦です。現地調査に伺った際に印象的だったものが二つありました。一つは天井裏にある立派なのぼり梁です。奥様からも「以前リフォームした時に隠してしまった立派な梁をもう一度見えるようにしたい!」とご要望がありました。もう一つは「これで炊くご飯は最高なのよ」と見せて下さった土間にある現役のおくどさん(かまど)です。のぼり梁と竈(かまど)の他にも古き良き和風建築の素材がたくさんあるお宅だったので、その良さは残しつつ機能性と耐震性を高めた和モダンスタイルをご提案させていただきました。
耐震性を高め、暖かく
▲縁側風の廊下を設置し、風情ある空間に。
まず、台所天井のジプトーンは全て取り払い、梁を見せるデザインに。のぼり梁を支えるために補強の柱と筋交を追加しました。また天井が高くなって空間が広くなるため、冬でもお部屋が暖かい床暖房を設置し、高窓とシーリングファンで通風も確保。台所と居間の間には段差があったので、台所をかさ上げして段差を解消しました。
台所は壁付のキッチンセットを撤去し、システムキッチンを新設しました。お部屋の雰囲気に合わせてシステムキッチンの前面は杉板で仕上げています。また、ダイニングの欄間には囲炉裏の煙で燻された煤竹を使用しています。土間の部分は台所への上り口に縁側風の廊下を設置し、風情ある空間にしました。
お手入れしやすいかまどに
▲炭を使った塗料で仕上げるから、すす汚れが目立ちにくい。
現役のかまど周辺は、お手入れがしやすいようモルタル仕上げの既存の壁の上にタイルを張っています。天井は炭を使った水性塗料チャコペイントで仕上げています。かまどからのすす汚れも目立ちにくく、炭の力で調湿効果も期待できます。
お二人ともリフォームの仕上がりを大変気に入って下さり、奥様からは「台所にいる時間が長くなりました。主人と一緒に梁を眺めながらお酒を楽しんでいます」と、嬉しいお言葉をいただきました。
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