新しい収納家具を置くスペースがなくても床下を活用すれば収納を確保できる
しっかりした収納計画で床下のスペースを有効活用
収納家具を置くスペースがなく、収納が足りない、という悩みには、空間を有効活用できる床下収納を検討しよう。 床下収納は古くからキッチンなどに設置されてきた。決して、目新しい収納方法ではない。また、新しい住宅にも、床下の点検口を兼ねて設置されていることも多い。
従来より、床下収納と言えばキッチンというイメージだが、洗面室やリビングにも設置可能で、浅型タイプなら二階にも設置できる。食料品の保存だけでなく、日用品のストックや使う季節が限られるものなどをしまっておける。上手に活用できれば、便利な収納スペースになる。
ただし、床下収納にはデメリットもある。物を出し入れするときにかがむ必要があるため、体に負担がかかる。重たいものの収納には不向きだ。また、湿気がこもりやすい場所では、カビ対策が必要だ。デメリットを理解したうえで、計画的に設置すれば、収納力は大きな魅力になる。
床との見切りにアルミの金物が入るため、見た目が悪くなり、設置後にがっかりする顧客もいる。事前に仕上がりイメージをきちんと説明することも必要だ。
▲出し入れの際にかがむ必要があるので頻繁に使うものの収納には適さないが、ストック品の収納に上手に活用したい。
提案時の注意点
大型で軽い物の収納におすすめ
掃除などの日頃の手入れを忘れがちなため、床下収納庫の場合どうしてもゴミが入りやすい事などのデメリットをしっかりと伝え、適切な利用方法を施主様に提案してほしいと思います。その上で、点検口も兼ね、キッチンに取り付けられていることが多いと思いますが、どうしても食品などのストックに使用されている方が多く、賞味期限を忘れてしまいがちです。深さもあるため、一升瓶などの重いもののストックにも適しません。私の場合、使用頻度の少ないものをお勧めしています。たとえばお正月や運動会など、年に1~2度程度の行事に使用する大型で軽いもの。季節によって出番が異なるものなどの収納に使用するほうが良いと考えます。取り出しにくい小物などは、紙袋を利用して高さを作り収納するのもオススメです。
床下収納 ポイント
◆床下のデッドスペースを有効活用
◆居住空間の広さを変えずに収納力アップ
◆常温で長期保存できる食品や日用品のストックに
◆大切な思い出の品を保管できる
◆重たいものは出し入れしにくいので要注意
収納は「適材適所」でグッと便利になる
~いろいろな使いやすい工夫~
●スライド式で大容量
ボックス一つ分の開口部で床下収納のスペースは2~3倍。収納ボックスを連結し、スライドして収納物を取り出せる(写真提供/大建工業)
●カビ、湿気を抑える
収納ボックスに防カビ剤を添加し、カビを抑制する働きをプラス。通気口があるタイプなら、においや湿気がこもりにくい(写真提供/パナソニック)
●冷気をシャットアウト
気密性の高い発砲断熱材の内ブタ付きは寒冷地仕様(左)その他の地域では、ふたと断熱材を一体化した断熱対応タイプ(右)で外気の侵入を抑え、足元からの冷えを防ぐ(写真提供/大建工業)
【プロの視点】設置場所には細心の注意を
どの部屋に何を収納するか、その部屋のどの位置に床下収納を設置するかを決める。このときの一番のポイントは、出し入れしやすい作業スペースを確保できるかどうかだ。かがんで出し入れするためのスペースやふたを置いておく場所などを考慮したい。
また、ふたの開閉がしやすいかどうかも大きな問題。たとえば、冷蔵庫や棚など重たくて動かせないものと干渉してしまってはまったく使えない。テーブルや椅子くらいなら、使うときに動かせばよいと考えてしまうが、できれば、何も動かさずに開閉できる位置がベスト。適当な設置場所が確保できない場合は、本当に、床下収納を設置すべきかどうか、もう一度、検討しなおした方がよいこともある。使い勝手のよさを最優先に設置を決めよう。
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