【設備・建材基礎知識】特徴や耐用年数が様々な塗料の種類

顧客の要望やライフスタイルを踏まえ最適な塗料を選ぼう。

耐久性や性能、コストとのバランスが大切

まず知っておきたいのが塗料の成分だ。塗料は、顔料・添加剤・合成樹脂と3つの成分からなる。顔料は色や艶を決め、添加剤は、塗膜を均等にし、機能を持たせる役割を持つ。塗料を選ぶ中で一番大切なのが、耐久年数に関わる合成樹脂だ。塗膜を作る主原料となり、主にアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素と大きく4つの種類に分けられる。

さらにこれらの塗料は、塗料を薄める液となる溶媒により水性塗料と油性塗料に分けられる。水を混ぜて用いるのが水性塗料、シンナーなどの有機溶剤を用いているのが油性塗料だ。水性塗料は価格が安く臭いがない。耐久性は油性塗料に劣るが最近は高耐久の商品も出てきている。油性塗料の価格は高めだが、耐久性が高くコストパフォーマンスは良い。

また近年では、光触媒や無機塗料といったより耐久性を高め、防汚・防水・断熱など様々な機能を持ち合わせた塗料も販売されている。

塗り替えのサイクルや、コスト、性能、また職人の技術力などのバランスを見て、より相応しい塗料を提案しよう。

塗料選びで気をつけていること

適切な時期の塗り替えをおすすめ

最近は「15年以上持つ」といった塗料もありますが、「15年持ちます」と言ってもそれは塗装の表面被膜の話で、建物の劣化しやすいポイントは壁の広い平面ではありません。15年以上経てば、塗料はもってもサイディング外壁では、継ぎ目のコーキングが切れますし、モルタル外壁塗ではヒビが入ってしまいます。それ以外でも15年以上放置していると、どこかで不具合が起きている場合が多いのです。ですから弊社では、フッ素や無機系などの塗料はラインナップには入れず、シリコンまでの塗料で適切な時期(10年~15年)に外壁塗装工事を行うようにお勧めしています。


塗料選びのポイント

◆塗料は顔料・添加剤・合成樹脂と3つの成分で出来ている

◆耐久性に大きく関わるのが合成樹脂の種類

◆合成樹脂は、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素と大きく4つに分けられる

◆溶剤は水性・油性に分けられる

◆最近では、光触媒や無機塗料など高耐久塗料が認知されてきている


【知っておきたい塗料の成分】



【塗料の特徴や耐用年数】

【より耐久性高めた機能性塗料】


【プロの視点】ライフプランを踏まえトータルコストで比較を

塗料は耐久年数や性能により、コストも大きく変わってくる。安易に低コストの塗料を選んでしまうと、メンテナンスのため何度も塗り直しが必要になり、その度に足場代や洗浄代も発生、結果高くついてしまうという事になる。

例えばシリコン塗料で行う1回の塗装工事の費用は80万円。フッ素塗料だと120万円だとする。これから40年今の家で暮らすとなると、耐久年数が10年のシリコン塗料なら4回塗り替えが必要でトータル400万円がかかる。耐久年数が20年のフッ素塗料なら、3回の塗り替えでトータル360万円。40万円も差がつく。これから長く、綺麗な外観を維持しながら暮らしていきたいと考える顧客には、多少コストが発生しても高耐久の塗料をおすすめしたい所だ。


年間購読(毎月15日発行・購読料8,800円)のお申込はコチラ

バックナンバーのご購入はコチラ

リフォマガのご案内はコチラ

リフォマガ

『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

0コメント

  • 1000 / 1000