【設備・建材基礎知識】組み合わせて作る多灯照明が人気 リビングの照明

照明の「明るさ」や「光の色」は、部屋の雰囲気を作る重要なパーツ

複数を組み合わせてシーンに合わせて使い分ける

従来、部屋にはひとつの照明を配置する「一室一灯」という考え方が一般的だった。それに対し、「一室多灯照明」という考え方が採用されるようになってきている。

「多灯照明」とは、さまざまな照明器具を室内に分散させて配置する方式。ダウンライトやペンダントライト、ブラケットライトなど形状の異なる照明を複数、使う。ひとつの照明で部屋全体を照らす必要がある「一室一灯」に比べ、個々の照明の照度は低い。複数の照明を使い分けることでいろいろなシーンに合わせた照明を演出できるというメリットもある。必要な明かりだけを点けることで無駄な電気代を省く効果も期待できる。

居心地よいリビングにするには、照明は暗すぎても眩しすぎてもNG。また、リビングは食事や読書、あるいはくつろぐ場にもなる。シーンによって明るさを使い分けることができる多灯照明はベストな選択と言えるだろう。

リフォームを機に照明器具を買い替える顧客は多い。そこで、あらかじめ、照明のプランも組み入れた提案をすると喜ばれる。いろいろなタイプの照明を使って、顧客に合わせたライティングプランをコーディネートしたい。

【提案のひと工夫】

色温度や演色性にもこだわりを

私の設計する物件は主にリラックスすることが目的なので、人間が落ち着くとされる炎や就寝に向かう夕日に近い色、「色温度」では2700~3000Kの光源を採用しています。夜は照明の光の質が空間の質にもなってくるので「演色性」にもこだわり、Raでは95以上を目標としています。そして、照明器具は見せるものとそれ以外にわけ、「見せるもの」は質感やデザインを重視し、「それ以外」は光だけ感じさせて極力見せないかシンプルな物にして、日々進歩しているLEDに対応できるよう可能な範囲で「電球交換」できるようにしています。また、ただ全体を明るく照らさず、光を抑えるなど、「闇を作る」ことも計画し、奥行きのある空間づくりを心がけています。


【リビングの照明のポイント】

◆一室一灯から多灯照明へ

◆照明器具を分散させて配置する

◆異なるタイプの照明を複数使う

◆シーンに合わせて照明を使い分ける

◆無駄な点灯を抑えて電気代も節約できる


【組み合わせて作る多灯照明~照明の種類~】

【プロの視点】照明器具は夜だけのものじゃない?!

照明のプランニングをするにあたり、一番、気に掛けるべきところは、部屋の用途にあわせた「明るさ」と「色」だ。リビングの場合、くつろぎの時間もあれば、読書をする時間もある。シーンにあわせて、明るさと光の色を調整できる照明が便利だ。調光スイッチで自在に照明の色を変えて、それぞれのシーンでの最適な明るさの元で過ごすことができる。

もう一点、照明器具を選ぶには、灯りを点けない時間帯についても考えておきたい。照明器具は、昼間も部屋のインテリアの一部となるからだ。様々なデザインがあるため、選択肢は広い。好みのインテリアのテイストに合わせて照明器具を選ぶとよい。明るさ、機能、そしてデザイン性の条件がそろった照明器具をみつけよう。


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