日本でのシェアはまだ少ないが、耐久性や施工性の高さで人気上昇中の屋根材。
シングル屋根とは
不燃布やグラスファイバー(ガラス繊維)にアスファルトを浸透させ、表面に細かい石粒を貼り付けたシート状の屋根材のこと。
100年以上前に考案された歴史の古い屋根材で、アメリカ・カナダでは8割以上の住宅で使用されている。 日本でのシェアは約5%と少ないが、マンションなどの集合住宅や商業施設などでは既に多くの実績があり、近年、戸建て住宅でも採用するケースが増えている。
基本性能に優れた屋根材
柔らかい素材でできているため、曲げたりカットしたりが可能。曲面などの複雑な形状の屋根にも施工できる。重量は瓦の4分の1程度と非常に軽く、耐震性の面でも有利。軽いため施工がしやすく、カバー工法にも用いることができる。
安価で耐久性や防水性、防音性などの基本性能にも優れている。数多くの利点がある屋根材といえる。
ランニングコストが低い
表面の石粒は見た目が美しいだけでなく、紫外線や雨などから屋根材を保護している。塗装が不要な商品もあり、ランニングコストを低く抑えることができる。
一般的な耐用年数は10〜20年程度とされるが、30年以上問題なく使用している住宅も多く存在する。ハイグレードな商品では40年以上の長期保証(制限付き)が付いたものもある。
【提案の注意点】屋根塗装で心掛けていること
アスファルトシングルの塗装についてですが、塗装のご提案をさせて頂く時は、基本的に水性での塗装となるため、一般的な溶剤での屋根の塗装よりは耐久性が低いこと、塗装を行った際は屋根の上を流れる水の流れが速くなるため、それによる弊害が出る可能性をお伝えしています。
しかしながら、予算が許す場合は基本的には塗装ではなくカバー工法、もしくは葺き替えをお奨めしています。その際も、防火地域や準防火地域には使用できないこと、防火認定されている商品については金額が少し高くなることもお伝えするようにしています。
【シングル屋根のポイント】
◆北米では8割のシェア
◆日本では5%と馴染みが薄いが人気上昇中
◆施工性、耐久性、防水性、防音性などの基本性能が高い屋根材
◆防火性の高い商品もある
◆シェアが少ないため、施工経験のある業者が少ない
【シングル屋根の特徴】
【主な商品】
【プロの視点】昔は人気薄のシングル屋根 その基材は“紙”だった
現在は、基材に耐久性の高いグラスファイバー(ガラス繊維)が使われることが多いが、昔は紙が基材だった。このため、月日が経つほどに劣化し、破れやすくなる欠点を抱えていた。こうした欠点により安物品の悪いイメージが定着し、国内でシングル屋根が浸透してこなかったという歴史がある。
しかし、基材の改良や、石の付着技術の進歩、施工性の改良など、技術革新によって現在では耐久性、対候性ともに高いレベルに達している。
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