アイデア事例に学ぶパントリーの作り方

リフォームで快適なパントリーをつくる際のポイントを紹介。経験が浅い人や初めてパントリーの提案をする人でも、簡単に提案できるコツをプランナーに聞いた。これらのポイントを抑えてパントリー提案をしてみよう。



《1 場所》便利な家事動線を意識しよう

キッチンからアクセスしやすく、使いやすい位置につくろう。


定番はキッチン横or背面

キッチンから無駄なく行き来できるキッチン横か背面が定番位置。居室から見えにくい位置に棚をつくるだけでも、扉なしで食品ストックや調理家電の収納として使える。

▲壁付けキッチンの背面に棚を設置。省スペースでリビングダイニングからも見えない。

棚奥行き 400mm

幅   650mm


リビングダイニングから内部を見せない

なるべく扉を付けずに、居室から収納内部が見えない位置にしたい。扉を付けないことで、開閉の手間を省き、コストも抑えられるからだ。どうしても内部が見えてしまう場合には、扉やロールスクリーンを提案しよう。

▲扉がなくても外から物が見えない。内部の棚は外から見えない側面に設置。

▲扉を付けてすっきり収納。扉は余計なスペースを必要としない2~3枚の引き違いにすると良い。


回避動線で使い勝手アップ

キッチンからパントリーを通って、勝手口や玄関ホール、洗面室に行ける動線はおすすめ。掃除や炊事の手間を考えると、回遊できる間取りは家事効率が良くなる。

▲洗面室とキッチンからアクセスできる。洗面室で使う物やストック関係も収納。



《2 収納計画》入れるものを明確にしよう

食品ストック? 家電? 日用品収納?

余分にスペースを取っておくと後から物が増えても安心。


棚の奥行きは200~450mm

奥行きが深すぎると奥のモノが取り出しにくく使いづらい。使いやすい奥行きは200~450mm。多めに収納したい場合でも奥行き600mmまでにする。


冷蔵庫を丸ごと隠す提案も

生活感を隠したい場合には、冷蔵庫を丸ごと隠せる扉付きのパントリーもおすすめ。来客時に扉を閉めてしまえばシンプルですっきりした空間になる。


定番は可動棚

入れたい物に合わせて後から棚の位置を変更できる。100円均一や無印良品などの収納ケースが収まる計画を提案すると喜ばれる。

▲右側が入れる物によってフレキシブルに高さを変えられる可動棚。左側はアイロンなどの作業台としての用途を考えて強度の強い固定棚にした。

棚の奥行き 450mm



教えていただいたのは…

無垢スタイル建築設計(埼玉県さいたま市)設計室 中村譲治さん

前職は住宅設備関連会社で働き、2級建築士資格の取得後に転職。現在11年目。1000万円以上の案件が多く、年間20~30件の大型リノベーションを手がけている。


“パントリーのデザインは冒険しても良いと思います!”

パントリー内部は、使う人以外には見えない空間なので、デザインに遊びを持たせられます。リビングにはおすすめできない派手な色柄のクロスでも、パントリーでは好きな柄や色で冒険してみると楽しいと思います。入り口をアーチやとんがり形状にしておしゃれに見せることもあります。

▲入り口をアーチにしたパントリー



リフォマガ2023年5月号掲載



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