キッチンの天板は手で触れる機会が多く、常に目に入る部位。気に入った天板を選ぶと、キッチンの満足度がアップする。
主流は「ステンレス」と「人工大理石」
デザイン性も考慮して好みに合うものを
キッチン天板素材の主流は、ステンレスと人工大理石の2つ。ステンレスは耐水性・耐熱性に優れ、昔からキッチン素材として使われている。人工大理石は耐久性が高く、色柄の美しさから人気が高い。いずれもバリエーションが豊富だ。ほかに天然石、セラミック、クォーツストーン、メラミン、タイルなどがある。
天板選びのポイントは、清掃性、耐久性、デザイン性だ。キッチンは毎日使うものなので、掃除のしやすさは大切な要素。天板とシンクが同じ素材ならば、継ぎ目がほとんどないので汚れにくく手入れもしやすい。耐久性は素材によって異なるのでよく確認しよう。価格は、メラミン→ステンレス→人工大理石→人造石の順に高くなるのが一般的だが、同じ素材でも材質などにより価格差がある。
オープンキッチンが増え、キッチンは見せる空間へと変貌を遂げている。リビングの雰囲気と調和する素材選定が重要だ。各素材の特長を考慮し、最適な天板を提案しよう。
天板素材のポイント
- 主流は「ステンレス」と「人工大理石」
- 清掃性、耐久性、デザイン性を考慮する
- シンクと一体型は汚れがたまりにくい
- 素材によって価格差がある
- インテリアに調和するものを選ぶ
素材選びのポイント
デザイン性や機能性をチェック。キッチンのスタイルや予算に合わせ、優先順位をつけて検討しよう。
デザイン性
- 色、柄
- 質感
機能性
- 熱に強い
- キズがつきにくい
- 汚れにくい
- 手入れが楽
【知っておこう!】天板とシンクの継ぎ目
人工大理石の天板にステンレスシンクを合わせるケースが多いが、異なる素材の場合、継ぎ目が汚れやすいのが欠点。その欠点をカバーする工夫が各メーカーで取り入れられている。
クリナップのオープンジョイントのように、継ぎ目の汚れが見えやすく、手入れしやすい形状も増えている。
▲天板とシンクの接合部をオープンにすることで、汚れも落としやすい
画像提供/クリナップ
天板の素材いろいろ
《ステンレス》
汚れやキズに強く、清潔に使える
衛生的で扱いやすく、プロの厨房にも採用されている
表面加工の違いで印象や機能性が変わる
▲ステンレスワークトップ(クリナップ)
美しいライン仕上げとキズがつきにくく、目立ちにくいエンボス仕上げ
▲ヘアライン(L)
▲サテンエンボス(E)(美コート+特殊エンボス加工)
《人工(人造)大理石》
色柄、質感のバリエーションが豊富
素材はポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂があり、アクリル系は耐久性が高く、高品質
人工(人造)大理石のシンクとセットにすれば継ぎ目をなくせる
▲人造大理石「グラーナ」カウンター(トクラス)
▲ラインナップは5グレード、6シリーズ、全14色
《クォーツストーン》
硬度が高く、天然石の質感をもつ
水晶と樹脂などで作られた人造石
熱やキズに強い樹脂成分を含むため、強度も高い
▲セスパ クォーツストーンワークトップ(ナスラック)
▲ワークトップの素材はイタリアのクォーツストーンメーカー「santamargherita」製
《セラミック》
焼き物ならではの味わいが魅力
一枚ごとに焼き上がりが異なり、オリジナル性がある
高い温度で焼成しているので、耐熱性と表面硬度に優れている
▲リシェルSI セラミックトップ ラパートトープ(LIXIL)
風合い豊かな5色展開でインテリアにも合わせやすい
《メラミン》
高い印刷技術でさまざまな色柄を実現
一般的にローコストだが、材質により高級タイプがある
木目柄など多彩なデザインが揃う
▲ラフィーナ ネオ メラミンワークトップ ディタリアロック(永大産業)
▲ディタストラサニー
▲ディタストラメトロ
《タイル》
オーダーメイドでオリジナルなキッチンに
タイルによって、レトロ風やモダンにもなり、デザインが自在
汚れにくい目地材も登場
▲スィージー キッチンカウンター(ウッドワン)※下地のみ対応
専用の下地をつくって、好みのタイルを手配して仕上げる
リフォマガ2024年3月号掲載
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