ヒアリングを制する者はオプション提案を制す
施主に響くオプション提案ができれば、価格アップだけでなく、顧客満足度が高まり、プランの成約率やリピート率を上げることができます。どのように接客をすれば、顧客満足度の高いオプション提案に繋がるのでしょうか?その手法を紹介します。
《STEP1 受注前 現調・ヒアリング》
事前にヒアリングシートを送付して戦略を立てる
初回訪問の日程が決まった段階で、ヒアリングシートを施主に送付し、訪問までに返送してもらう。先に要望を把握できていれば、訪問日までに提案の準備ができ、施主も考えを整理できるからだ。
お宅訪問はヒントの宝庫
施主の暮らしを観察する
初回訪問は、現調・ヒアリング以外にも、家の雰囲気を見るのがポイント。雑貨を飾るのが好き、物を見せないようにしているなど、暮らしを観察するとインテリアの好みが分かりやすい。
▲ヒアリングシートは3枚。基本情報の他、叶えてみたいこと、将来の暮らしへの不安、今の暮らしで満足していること、今の暮らしの不満を記入する項目などがある。初回訪問までに回答してもらう。
【笹田さんに聞きました!オプション提案に繋がる ヒアリングのポイント】
1. 「なぜですか?」の一言で理由を深掘りする
施主の要望は、必ず理由を聞く。
例えば施主「収納が欲しい」→笹田さん「なぜですか?」→施主「趣味のコレクションを入れたいから」→笹田さん「では、コレクション用の見せる棚はどうでしょう」といった感じで、理由を深掘りすれば、より施主に響く提案に繋がっていく。
2. まず施主の意見に共感否定はしない
施主の意見に対しては、どんなものでも「いいですね」と共感から始める。初めから「それは出来ません」と否定すると、施主の気持ちを下げてしまう。まずは施主の意見を肯定して、安心をさせよう。すると、施主が「この人になら」と、要望を言いやすくなる。
《STEP2 受注前 プラン提出》
松竹梅の3つから施主に選択させる
キッチンなら、【梅】入れ替えのみ、【竹】家電カウンターをつける、【松】間取り変更の対面キッチンにする、といった価格別の3種類のプランを用意し、施主自身に選択してもらう。そうすることで、押し付けられたものではなく、「自分で選んだ」という気持ちになりやすい。
▲【松】や【竹】プランを提示する時は、施工写真や3Dパースを使ってプレゼンする。すると、リフォーム後のイメージが膨らみ、【松】~【竹】で決まることが多い。
《STEP3 受注後 オプション提案》
オプションで夫婦両方の希望を反映させる
具体的なオプション提案は、受注後に詳細をつめていく段階ですることが多い。この時、リフォームの主導権が夫婦どちらにあるか明らかな場合でも、一方に肩入れしすぎず、両方の意見を反映させることが顧客満足度向上に繋がる。
▲「インテリアは無彩色がいい」という奥様主導で進めている中、旦那様が「緑が好きなんだけどな…」と呟いたことを流しません。リビングの広い空間は無彩色に、その代わりトイレなど狭い部分を一面だけアクセントで緑にして、「ドアを開けた時にグリーンがあると気持ちが明るくなりますよ」と提案します(笹田さん)。
笹田さんおすすめオプション3選
付加価値アップで施主の「これイイネ」を引き出そう
狭い部分にアクセント
狭い空間なら、思い切った柄のアクセントクロスやタイルを提案しやすい。トイレの他、ニッチ、パントリーの内部なども。施主には、施工事例写真など視覚に訴える資料を見せると、イメージしやすい。
洗面室にパネル貼り
清掃性重視の施主には、お手入れが楽になる商品を提案する。洗面のタオル掛けの裏側は汚れやすいため、パネルを貼るのがおすすめ。アイカ工業の化粧板やタカラスタンダードのホーローパネルを使う。
ハンギング・バー
リビングや洗面室にハンギングバーを提案する。花粉や梅雨の時期などにあると便利。室内干しの用途以外にも、インテリアグリーンを飾ったりもできて、洗濯物をかけてない時も見た目がおしゃれ。
お話をうかがったのは…
カナジュウ・コーポレーション(神奈川県横浜市)住宅環境営業本部 笹田裕美さん
子育てがひと段落した後、17年ぶりに正社員として入社し、6年目。プランナーとして活躍中。ヒアリング上手で、施主に響くプランを作るのが得意。プラン成約率、リピート率は約70%を誇る。年間売上高は8300万円。
リフォマガ2023年8月号掲載
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