日本の伝統を取り入れよう
「畳=和室」ではない。畳にはメリットも多い。現代の暮らしにもマッチする、畳のバリエーションを知っておこう。
畳の魅力を再認識
バリエーション豊富で新しい暮らしにもマッチする
和室離れが進み、畳がない家も増えてきたが、実は畳にはさまざまなメリットがある。クッション性があるため転倒時の危険が少なく、防音性も高い。赤ちゃんがいる家庭など子育て世代にもおすすめしたい床材だ。断熱性、保温性、調湿性にも優れ、高温多湿な日本の風土に適している。
和室は少なくなったものの、「和モダン」の人気で、インテリアとしての畳の魅力が再認識されている。既存畳を張り替える畳替えの知識だけでなく、モダンなインテリアに取り入れる畳についても知っておきたいところだ。
従来の畳は、畳表はい草、畳床にはわらが使われ、自然素材でできている。い草の香りによる、癒やし効果などが大きな魅力だ。
一方、畳表に和紙やポリプロピレンなどの新素材が使われているものもある。お手入れのしやすさや耐久性で、い草にはない性能を持つ。ペットを飼っている家でも使える、耐久性の高い畳もある。い草畳に比べ色柄が豊富なのが特徴で、様々なインテリアに合わせやすく、提案の幅が広がっている。
畳のポイント
畳表の材質により特徴が異なるので覚えておこう。
【知っておこう!】畳表が傷んできたら、「裏返し」を
畳替えには、裏返し・表替え・畳替えの3通りの方法がある。畳の状態にあわせて正しいメンテナンスを行う必要がある。
畳替えのタイミング
※い草の畳の場合
【豆知識】いろいろな種類がある「畳」
昔ながらの畳に変わり、新建材の畳床が主流になってきた。ボードや発泡スチロールを畳床に使った畳は、ダニや害虫の繁殖がしにくく、軽量なのが特徴だ。
本畳
畳床は稲わら、畳表はい草を編み込んだものを使用。伝統的な畳。厚みは55mm。
建材畳(化学畳)
ボードなど新建材を畳床に使用し、畳表には和紙や樹脂などを用いている。厚みは15~60mmと幅広い。
薄畳
厚みはフローリングと同じくらい。畳コーナーをつくるときにフローリングとの段差を気にせずに済む。
縁なし畳
縁がない畳。琉球畳表や目積(めせき)畳表のように、しっかりとして目が詰まっている畳表を使用。
畳表の種類いろいろ
【い草】こだわりの国産畳表
エコ表(キツタカ)
- 熊本県産のい草のみを使用
- 国産で安心・安全の畳表
【七島草】縁なし畳の原点、琉球畳
ヘリ無畳 琉球表(キツタカ)
- 七島草を使用した高級畳表
- い草とは違う、力強い風合いが特徴
【機械すき和紙】ダニやカビの心配がない
健やかおもて(大建工業)
- 抗菌仕様。耐久性があり、傷つきにくい
- 色柄のバリエーションが全58種と豊富
- 撥水性があり、色あせしない
【ポリプロピレン】抗菌仕様の畳表
KOHKIN畳(キツタカ)
- セキスイ畳MIGUSAを使った畳表
- 汚れに強く、アルコールで拭くこともできる
- 細菌の増殖を抑制
【ポリプロピレン】ダニやカビの心配がない
Re・ノベーション畳【スタンダード】(キツタカ)
- 半帖タイプは現代和室にぴったり
- チャコールやグレーなど全12色
- 日本アトピー協会推奨品
【ポリプロピレン】ポップカラーで明るい和室に
Re・ノベーション畳【パステル】(キツタカ)
- ポップなカラーが特長の畳
- 子どもも喜ぶ、明るい和室に
- ミックスカラーを含む全6色
フローリングに取り入れる畳
ここち和座置き敷きタイプ(大建工業)
フローリングの上にラグのように置くだけで畳スペースをつくれる。
ここち和座敷き込みタイプ(大建工業)
フローリングと同じ厚みなので床を調整せずに敷き込める。
「和」を取り入れる小上がりの畳
畳ユニットを使えば、小上がりをつくれる。部屋の一角に畳コーナーをつくる方法のひとつだ。小上がりは、部屋のアクセントになるだけでなく、収納として使えるものも。小上がりタイプならプラスαの提案ができる。
畳が丘(パナソニック)
マンションでも掘座卓を設置できる。高さは380mm。小上がりの畳の下を収納に活用できる。
リフォマガ2023年5月号掲載
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