【THE SHOKUNIN】パソコンを駆使する超ハイテク塗装屋 職人に大切なのは人柄と営業意識


【塗装職人】窪 彬久さん(39歳)

リフォームの営業担当者にとって、熟練の職人さんは大切なパートナー。今回登場するのは塗装会社代表取締役・窪彬久さん。カラーシミュレーションを使いこなす、文武両道の職人だ。



事前の色選びで、「イメージと違う」がない

全国の協力業者と提携し、個人宅からマンション、工場など様々な塗装を請け負っているリウィンクス。窪さんは社長として営業に専念しているが、即日対応が必要な時は、窪さん自身が施工することもある。

リウィンクスを一言で表現するならば、「超ハイテク塗装会社」だ。窪さんは「カラーエクスプレス」というカラーシミュレーションソフトを駆使。顧客宅の写真を取り込み、パソコン上で自由に壁の色を変えて提案している。

「ちょっと色を変えるだけでも、家の雰囲気はガラリと変わります。このソフトを使うと『思っていたのと違う』ということがないんです」

これまで色に関するクレームは一件もない。また、塗装したら周りの家から自宅が浮いてしまったということも防いでいる。

▲カラーシミュレーションソフトで、様々な色をテスト。「お子さんがいる家では、キャラクターの配色にしてほしいというリクエストもあります」(窪さん)

▲色々な塗装パターンを並べて比較することもできる



職人にマナーを徹底
営業としての意識も

窪さんが塗装業を営む上で大切にしているのは、「お客様(近隣の方含む)との接し方」だ。

「令和の職人さんは仕事ができるのは当たり前。その上で営業と対等に打ち合わせができて、お客様や近所の方々にも気配りができることが求められています。協力業者さんには、職人であると同時に営業としての意識も持ってもらうようにお願いしています」と窪さんは話す。

「おはようございます」の挨拶はもちろん、身だしなみにも注意。タバコは現場の近くでは吸わず、車の中か喫煙スペースで吸う。道路に座って数人で固まってのタバコはもってのほかだ。「塗装の技術は、誰でも経験を積めばついてきます。難しいのは人柄なんです」

窪さんは施工前、現場の近所の家々に挨拶に行く。東西南北それぞれ2軒が目安。トラックが入って迷惑がかかりそうな場合、その道路沿いの家々にも挨拶に回る。「挨拶の一言だけで、その後のクレームが少なくなります」



地元への貢献が少しずつ仕事に結びつく

窪さんは生まれも育ちも神奈川県座間市。地元の活性化のための活動もしている。現在、座間市商工会青年部部長、大和法人会、小学校PTA副会長、座間ロータリークラブなどに所属。地元のお祭りで鮎のつかみ取りの準備を担当したり、飲食店を盛り上げようと、はしご酒のイベントの実行委員をやったりもしている。

そうした人脈から『そういえば、窪さんは塗装やっていたね。じゃあ、今度頼もうか』という具合に、仕事にもつながっている。

「地元のため、子どもたちのためと思ってやっていたら、後から仕事がついてきた感じですね。最初から仕事をもらおうと思ってやっていたら、うまくいかなかったと思います」

最近は、セカンドオピニオンを求められることも多くなった。

「別の塗装会社の見積もりを持ってきて、『これって、どうだろう』と聞かれることもよくあります」と窪さん。座間市商工会が主催する「まちゼミ(地元のお店の人が、無料で専門知識を教えてくれるミニ講座)」の講師も務めており、「良い塗装業者の選び方」をレクチャーしている。

商店街のシャッターに中学校・高校の美術部員や美大生に絵を描いてもらえないかとも考えている。「落書き防止塗料を使えば、絵を描いても落とせる。シャッターが毎年絵を描き直せるキャンパスになります」。同じように保育園や幼稚園の壁にも、卒園記念に絵を残せないか企画中だ。

「商店街をアートで盛り上げつつ、ちょっとでも、会社の売り上げにもなったら嬉しいです」

▲見積もりと一緒に、建物がどのような状態になっているかを「見える化」した建物診断書も一緒に提出している。診断書の制作に使うのは、この長い自撮り棒。先端にカメラをつけ、撮影した写真は手元のスマホで見ることができる

▲使うのは防水・防塵・耐寒・耐衝撃のアウトドア用カメラ



推薦の言葉

R&R.co 代表取締役 有田康子さん

これまでも、塗装業者さんとのお付き合いは何社もさせていただきましたが、窪さんを特にお勧めしたいと思うのは、その勤勉さとお客様を思う目線です。

腕が良いのはもちろんなのですが、新しい商材や機材の導入に積極的に取り組んでいる姿勢は素晴らしいです。

また、常にお客様目線で仕事をしてくれるので、少しでも心配や不安がありそうな時は、丁寧に説明して払拭してくれます。お客様対応が良いのも、リフォーム会社としてはとてもありがたいです。

営業やお客様にいつも心配りをしてくれて、ニコニコと笑顔が絶えない素敵な窪さん。自信を持って推薦させていただきます。



窪さんからリフォーム営業担当者にメッセージ

「こうしてもらうと嬉しいなぁ」

工事の内容を職人にも正しく伝えてほしいと思っています。現場に行って「え、この壁だと、この塗料は使えないよ」というケースがあるからです。そうなると、その日の作業はできません。材料を手配し直さないといけなくなって、工期も伸びてしまいます。その結果、お客様にも迷惑をかけてしまうので、現場の写真や資料を事前にもらえると、とても助かります。

それと、工事単価についても考えてもらえたら嬉しいです。工事単価が安すぎると、いい仕事はできません。職人としても、安い仕事には時間をかけられないので、どうしても急いで作業をすることになってしまいます。

弊社の社名の「リウィンクス」には、ウィンウィンがリンクするという意味を込めています。仕事でつながっている人たち、すベてがウィンウィンになる。そういう思いを持って私は仕事をしています。



リフォマガ2022年8月号掲載

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リフォマガ

『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

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