インテリア性も高く快適な湿度を保つ
壁リフォームの選択肢のひとつとして、調湿できる壁材がある。住まいにおける湿気や乾燥の悩みを解決しながら、インテリア性を満足させる提案ができる。
調湿作用のほか、消臭機能なども注目
デザイン性◎ 部屋のイメージチェンジにも
現在の高気密・高断熱化が進んだ住宅では、湿気や乾燥に悩まされやすい。快適で健康的に過ごせる湿度は40~60%だ。湿度が高すぎると結露やカビが発生し、低すぎると肌荒れや喉の痛みなどが起こりやすくなる。特に、乾燥はウイルスの繁殖や感染のリスクが増すため、気をつけたい。
調湿建材は、湿度が高すぎるときには吸湿してジメジメを解消し、湿度が低いと建材内に蓄えている水分を放出し、乾燥しすぎを防ぐ。室内を適した湿度に保つ働きがある。
調湿建材の工法には、湿式と乾式がある。湿式工法は、珪藻土や漆喰などに代表される塗り壁だ。コテなどで模様を付けるなど、独特の風合いをつくれる。意匠性の高さが人気だ。しかし、施工に手間がかかる上に、乾くまでの時間が必要で、工期は長くなる。
一方の乾式工法の内装材は、パネルまたはタイル状で、壁や天井に張り付けるもの。ボンドやテープで貼れるものもあり、施工が簡単。パステル調や石目などの柄物、立体的な模様が付いているもの、木材など、バラエティも豊か。壁のアクセントとして取り入れやすい。
調湿建材のポイント
《快適な湿度を保つ》
- 高湿度のときは吸湿
- 乾燥しているときは水分を放出
湿式工法
○ 手作業による意匠性が魅力
○ 補修しやすい
× 工期が長い
乾式工法
○ 多彩なデザインから選べる
○ 施工が簡単
× 曲面には使いにくい
《プラスαの機能》
- 消臭、防臭
- 抗菌
- 抗ウイルス
- 抗アレルギー
- ホルムアルデヒド吸着
- 低VOC
【知っトク豆知識】快適な湿度は40~60%
湿度は高すぎても低すぎても不快だ。健康的な生活のためには、湿度を40~60%に保つ必要がある。
加湿器や除湿機を使う方法もあるが、調湿建材なら電気不要。エコにも貢献できる。
【プロの視点】おすすめしたい、玄関ホールへの施工
リビングなどの広い範囲に比べ、低予算での提案が可能なうえ、調湿建材の効果を実感しやすいのが玄関ホールへの施工だ。玄関は「ジメジメして、カビ臭い」という悩みが多い場所。調湿と消臭の効果で悩みを解決できる。
また、2階建て住宅の場合、1階で暖められた空気は湿気を含んだまま2階へ上がる。このとき、空気の流れが玄関を通るケースが多いため、玄関ホールに調湿建材を施工しておくことで2階の結露が軽減する効果も期待できる。
▲絵のように飾れるパネルタイプもある エコカラットプラス デザインパネルキット(LIXIL)
調湿建材のいろいろ
《乾式工法》
一定以上の性能が認められたものには「調湿建材認定マーク」が表示されている
エコカラットプラス(LIXIL)
水に強く、水まわりにも使用できる
- 湿気は吸収、水や汚れは通さない
- 凹凸のあるデザインが壁面を演出
▲ペトラスクエア
調湿/消臭/低VOC /防汚
さらりあ~と(大建工業)
クロスの上から施工できる
- ビニールクロスの6倍の吸湿量
- 生活臭を吸着し、臭いを軽減
▲シンプルパレット ストーン柄スノーホワイト
調湿/消臭/ホルムアルデヒド吸着/低VOC
クールジャパン(朝日ウッドテック)
木の温もりが魅力的なインテリア
- 天然木材の調湿性能を活かす
- 精油成分フィトンチッドの効果が期待できる
▲ボーダータイプ ストレートリブ
調湿
《湿式工法》
塗りの厚さなどにより調湿性能に差が出ることもあるので施工時には注意を
健康壁 ヘルシーアート(四国化成)
高い調湿性能で空気をきれいに
- 主成分は炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト
- 基本75色。カラーのオーダーも可能
▲ヤマギリ さざ波仕上げ
調湿/ホルムアルデヒド吸着分解/消臭/アク・シミ止め
アレスシックイ(関西ペイント)
消石灰の強アルカリがウイルスを抑制
- 臭いを吸着、分解し、消臭する
- 調湿と抗菌で衛生的な空間をつくる
▲キーカラー ライトグレー
消臭/調湿/抗菌/抗ウイルス
けいそうどペイント(フジワラ化学)
ローラーで塗れる珪藻土
- 抗ウイルス・抗菌性のある高スペック内装材
- 施工はローラーまたは吹き付け仕上げ
▲けいそうどペイント 色No.812
抗ウイルス/抗菌/ホルムアルデヒド吸着・分解/調湿/消臭
リフォマガ2022年10月号掲載
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