便器の素材には、以前から使われている陶器のほか、最近では樹脂も登場している。それぞれの素材の強みを生かし、清掃性を向上させている。
表面がツルツルで汚れにくい陶器
水アカが付きにくい樹脂
便器の素材として多く使われているのは陶器(衛生陶器)だ。
陶器は水になじみやすい「親水性」があり、汚物が付きにくい素材だ。ただ、従来の陶器の便器は、表面に微細な凹凸があり、その凹凸に汚れが残りやすかった。近年では、ガラスの層を焼き付ける技術などを用いて、表面をより滑らかにし、これにより汚れが付きにくくなっている。
2006年には、パナソニックより樹脂製の便器が登場している。樹脂製の便器には「はっ水性」があり、ヌメリや黒ずみの原因となる水アカが固着しにくい。また、便器も便座も樹脂でできているため、継ぎ目のない一体成型が可能。継ぎ目に汚れが入り込むといったことがなく、掃除がしやすい。
メーカー別 便器の素材や機能
《TOTO》陶器
菌すら入り込めない平滑な表面
「セフィオンテクト」
ナノレベルで表面ツルツル 汚れがツルっと落ちる
表面に純度の高いガラス質を1200度の高温で焼き付け、100万分の1mmのナノレベルで平滑に仕上げた。汚れが引っかかる凸凹がないため、汚れが付きにくい。
水となじみやすく、汚れが付きにくい
- 親水性が高く、水がなじみやすい。汚れをすっと流れやすくする。
- 便器表面にあらかじめ水を吹きかける「プレミスト」との併用により、さらに汚れが付きにくい。
《LIXIL》陶器
水アカも汚物も落とす
「アクアセラミック」
水アカが付きにくい
独自の技術により、水アカの固着を防ぐ。
傷が付きにくい
高硬度のジルコンを釉薬の表面に含んでいるため、表面が硬く、傷が付きにくい。
水となじみやすく、汚れが付きにくい
- 親水性により、汚れを浮き上がらせて落とす。
- 銀イオンにより、黒ずみの原因となる細菌の繁殖を抑制する。
《パナソニック》樹脂
水アカが付きにくく、丈夫
「スゴピカ素材(有機ガラス系)」
水アカが付きにくい
はっ水性により水を弾くため、ヌメリや黒ずみの原因となる水アカが付きにくい。
割れにくく、キズにも強い
水族館の水槽や航空機の窓などにも使用されている素材。割れやヒビ、キズにも強い。
すき間が少なく、掃除しやすい
便器と便座は一体成型。便器と便座のすき間がない。
《ジャニス工業》陶器
ツルツル表面で汚れが落ちやすい
「Gコート1200」
表面ツルツル
便器表面の凹凸をガラス層で均一に仕上げ表面をツルツルにすることで、汚れを落としやすくしている。ガラス層は1200度の高温で焼き付けられているため、効果は半永久的。
水となじみやすく、汚れが付きにくい
親水の性質を持っており、水がなじみやすく、汚れが落ちやすい。
※7年相当経過後。疑似汚れを塗布後、洗浄
リフォマガ2022年1月号掲載
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