家庭の中で多くの水を使う場所の1つがトイレ。現在ではトイレの節水化が進み、1回の洗浄に必要な水は6リットル程度だ。少ない水で汚れをきれいに流せる。
水流の工夫で節水を実現
水道代を年間1万円以上節約できる
かつての便器は、1回の洗浄に13~20リットルもの水が必要だった。現在では6リットル以下で流せる節水型のトイレが主流になっている。大洗浄が3.8リットル、小洗浄が3リットルの超節水タイプも登場している。
節水トイレの最大のメリットは、水道代を節約できること。メーカーなどの試算によると、1回あたり13リットル必要だった15年前のトイレを節水トイレに替えると、年間で1万円以上の水道代を節約できる。
少ない水での洗浄を可能にするために、水流にも工夫がされている。従来は、フチ裏にある多数の穴から水を下向きに出していたため、汚物やトイレットペーパーをきれいに流すには多くの水が必要だった。節水トイレは、便器内に渦を巻くような水流を作り出し、これにより少ない水で効率よく洗浄できる。
さらに、便器の表面を滑らかにしたり、汚れを付きにくくする表面加工を施したりして汚れを落としやすくし、節水を可能としている。
渦を巻く水流でしっかり流す
【節水トイレ】
- 渦を巻くような水流で、便器内に水がくまなく当たる
- 少ない水で流せる
【従来のトイレ】
- フチ裏にある穴から水を下向きに流す
- 多くの水が必要
節水トイレで使う水の量を6割減らせる
1996年ごろまで主流だった洗浄水量13リットルの便器を、洗浄水量6リットルの節水トイレに替えると、これまで使っていた水の約6割を削減できる。また、洗浄水量10リットルの便器を節水トイレに替えると、約4割削減できる。
メーカー別 水流と洗浄水量
《TOTO》
汚れやすい場所に勢いよく水を当てる
トルネード洗浄
渦を巻くような水流で洗浄。汚物が付きやすい便器後方に勢いよく水を当て、しっかり洗い流す。
《LIXIL》
渦巻き水流ですみずみまで洗浄
パワーストリーム洗浄
強力な水流が便器内のすみずみまで回り、汚れを洗い流す。
《パナソニック》
水をためながら洗浄し、一気に排水
ターントラップ方式
便器内を旋回しながら排出せずにためておき、たまった水を一気に排出する。独自の排出方式。
《ジャニス工業》
ぐるりとくまなく洗浄
サイクロン洗浄・ダブルサイクロン洗浄
便器側面からの水流で、便器内をぐるりとくまなく洗浄する。
リフォマガ2022年1月号掲載
0コメント