お客様には常に全力で向き合う熱血・情熱の営業マン、小島拓哉さん。天性の営業センスと、飾らない人柄で顧客の心をガッチリ掴んでいる。
▲マルセイテック(神奈川県大和市)リフォームアドバイザー 営業1課主任 小島 拓哉さん(39)
大手プロパンガス、リフォーム会社を経て、内装業として独立。34歳の時、マルセイテックに入社。同社の屋比久盛友社長とは中学時代からの友人で、会社の理念に共感し、入社を決めた。
知識を覚えるのに100回以上音読!
小島拓哉さんがマルセイテックに入社したのは34歳の時。同社の屋比久盛友社長とは中学時代からの友人だったが、見習いからスタートした。「友人だからこそ、割り切らないといけない。他の社員に認めてもらえないと、社長の顔を潰すことにもなるので、見習い期間の3ヶ月間はがむしゃらに働きました」と小島さん。
入社前は独立して内装の仕事をしていたが、30代になるまでは人と話すことが苦手だった。「それが段々と施主様と話をするようになってから、世界観が変わったんです。十人十色、色々な方々の話を聞くことで視野が広がった。営業=自分自身の成長だと、気付いたんです」
入社後、大変だったのは、外壁塗装の知識の勉強。そこで実践したのが「音読」だ。
まず、高圧洗浄の説明文の雛型を屋比久社長が作成。小島さんはそれを100回以上音読して覚えた。「どちらかと言うと肉体・感覚派」と笑う小島さんだが、体を使って知識を叩き込んだ。
「頭に入った気はまったくしなかったんですけど、同行なしで初めて一人でお客様に説明した時、ちゃんと説明できたんですよ。もはや野性の本能ですよね(笑)。一度覚えてからは、自分なりに話を組み立てて話をすることができました」
▲3~4年前からドローンを導入。小島さんも操縦する。屋根などの現場調査に使用するほか、ビフォアアフターの写真を撮影するのにも活用。大和市内では、米軍基地の関係で飛ばせる地域が限られるが、パフォーマンスとしても好評だ
金額にかかわらずどのお客様にも全力で
現在の小島さんの業務は営業の他、管理職の補佐、新人教育、他の営業社員のサポートなども行っている。担当する工事は外装8割、内装2割。年間の売上げは1億円を超えるスゴ腕営業マンだ。
今、小島さんが力を入れているのが、個人宅以外の不動産会社やリフォーム会社への営業。
「一般のお客様からの受注が増えることに越したことはありませんが、一方でBtoBの受注を確保することで、強い攻めができると思っています」と話す。今は5社ほどと付き合いがあり、手堅く売上げている。
小島さんの月の目標額は800万円。これをクリアできるのは「金額に関わらず、どのお客様でも対応を変えないこと」と小島さんは話す。
100万円の外壁塗装も、1万円の水栓交換でも全力を出して対応する。「弊社はOBからの紹介やリピートが多いんです。これはお客様を大事にしてきた結果だと思います」
▲小島さんの愛用しているバインダー。入社以来ずっと使用している。水分計は施主と一緒に外壁の水分量をチェックするのに重宝している
遠方に住む親族にも工事の進捗を報告
小島さんが大切にしているのは「お客様に寄り添うこと」。外壁塗装は耐久年数によって、工事価格が変わる。子どものいる家庭なら、修繕時期と進学時期が重ならないよう提案するなど、家族構成にも気を配る。
施主が高齢者で、成人した子どもが遠方に住んでいる場合、工事の進捗状況を双方に知らせている。「現場は大和市で、息子さんや娘さんが住んでいるのは都内といったケースが結構多いんです。親御さんの工事がどのようになっているのか、安心していただけるように連絡を入れています」
同社はコロナ以前からLINE公式アカウントを開設。顧客とはLINEを使ってやりとりをする他、ショートメールなども駆使。顧客が使いやすい方法で連絡をしている。
「僕はレスポンスが命だと思っているので、早い時は30秒以内に返信します。2、3日も返答がないと『本当にこの会社、大丈夫?』と思われてしまいます。返信は早くすることを他の営業メンバーにもお願いしています」
▲「いい靴を履くと、その靴がいいところへ連れて行ってくれる」というジンクスにあやかって、赤が好きな小島さんは、いつも靴は「赤」と決めている。「持っている10足の靴の内、7足が赤。お客様からは『派手な靴、履いているねー』と言われます」
工事のストレス軽減にはLINEの会話
最初はリフォームにワクワクしていても、工事が進むに連れ、段々とストレスを抱える施主もいる。
施主が「もうちょっとこうしてほしかった」という気持ちを溜め込んでしまわないよう、小島さんはLINEを使って、頻繁に「どうですか?」と問いかけ、会話のキャッチボールをするようにしている。「喋りやすい雰囲気に自然と持っていくことで、不安やストレスを少しでも解消してもらえたらと思います」
同社では、営業担当が完工まで担当する一気通貫のスタイルをとっており、現場監督も小島さんが務める。様々な場面で施主のケアを怠らない。
見積もり時に施工写真を提示
相見積もりを勝ち抜くために、小島さんがやっているのは「施工写真をまとめたファイルを持っていくこと」だ。そのファイルには、施工前の家、高圧洗浄の様子や使用塗料の種類、養生、下塗り、中塗り、上塗り(それぞれ施工前と施工後)の写真が収められている。そうやって、どのように工事が進んでいくかイメージしてもらう。
小さな家の模型を持って行って説明することもある。「軒天、鼻隠しって言われても、お客様は家のどこを指しているか分からない。模型を使うとすごく分かりやすいので、いつも車に1個模型を常備しています」
また、見積もり提出の時は、できれば家族全員が揃っている時にする。全員が納得した上で契約をしてもらいたいと考えている。
相見積もりに負けた時理由を聞いて大逆転
さらに小島さんは施主に「万が一、うちを選ばなかった時は、その理由を教えてください」とお願いをする。実はそれが「大逆転」のきっかけになるからだ。
例えば「フッ素塗料で、価格が高かったから」と言われたら、「5分でいいので僕に説明の時間をください」とお願いする。そして、フッ素塗料の中でも「三フッ化フッ素樹脂」と「四フッ化フッ素樹脂」があり、四フッ化の方が耐久性が高いことを説明。安さだけで選んでいた施主も「そうだったのか」と、改めて契約に至ったケースは多い。
それでも、契約が取れないこともある。その場合は「ぜひご縁があれば、塗装だけでなく、クロスの張り替えやパッキン交換だけでもできますので、声をかけてください」と一言添える。
「ある意味、図々しいのですが、しつこくならないように境界線は弁えているつもりです」と小島さん。
この一言がきっかけで、しばらくしてから内装工事の問い合わせがくることも少なくない。
「工程表作っちゃいました」
斬新なアプローチで契約
マンションの外壁塗装を次々と受注できたことがあった。
この時、相見積もりは全部で5社。別のマンションの工事も考えているとのことで、オーナーの車で下見に連れて行ってもらうほど親しくなったが、正式な契約には至らなかった。
他社と同じことをやっていてはダメだと思った小島さんは、オーナーに「工程表を作っちゃったんで、持って行っていいですか」と連絡。そのまま契約に結びつけた。
その場でオーナーからは「もう一棟のマンションも契約してあげるわよ」と言われたが、「最初のマンションの仕上がりを見てから決めてください」とすぐには受けなかった。
完工時、オーナーは仕上がりに大満足。すかざす小島さんは「ありがとうございます。実はまた、工程表を作ってきました」と笑顔で提出。これにはオーナーも笑ってすぐに契約をしてくれた。
営業が輝けるのは他の社員がいるおかげ
今後は会社として、年間売上10億円を目指していきたいと語る小島さん。
「僕ら営業が数字を達成できるのは、事務や経理、工事部のメンバーがいてこそ。人あっての自分なんだと常に考えています」
地域の皆さんにも貢献したい。社員の生活も豊かになってほしい。それを達成するには、地元・大和市で圧倒的なシェアを取りたい。
「地域のシェアナンバー1を目指していきたいと思っています」
▲以前手掛けた工事の様子をまとめたファイル。これを見積もり提出の際に持っていくと、「ここまでやってもらえるのね」と顧客が安心する。他にも、小さな家の模型を持って行って説明することもある
リフォマガ2021年10月号掲載
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