消費電力の削減が課題
「ル一ムクーラー」から「ルームエアコン」に名称が変わり、JIS規格が制定されたのは昭和40年。以来「エアコン」の技術開発は一気に進みました。その基本的な原理は、「冷媒」と呼ばれる液体が室内機と室外機の間を蒸発と凝縮を繰り返しながら行き来するというシンプルなものです。
エアコンの普及に伴い、消費エネルギーの削減は大きな課題となっています。省エネ性能については製品に付けられている「統一省エネラベル」に表示された「省エネ基準達成率」と「APF(通年エネルギー消費効率)」等で確認できます。「省エネ基準達成率」は、省エネ基準をどのくらいクリアしているかを相対評価で表し、数値が高いほど省エネ効果が高くなります。「APF」は実使用状態に沿った省エネ性を示す指標で、例えばAPFが5の場合、消費する電力の5倍分のエネルギーで運転できる製品だということです。数値が大きいほど効率がよく、高効率のエアコンでは7前後となっています。
商品選びのポイント
建物の気密性を考慮して容量を決める
エアコンの機能が充実したものは当然価格も高くなります。必要な機能は何かを検討しましょう。重要なポイントに容量があります。カタログに表示された「畳数」が目安となりますが、気を付けたいのは、記載の畳数の基準となる建物は1965年にJIS規格が制定された当時の東京の木造住宅だということです。そのため地域差や構造の違い、断熱性の違いなどを考慮する必要があります。「6畳~10畳」など幅をもって表示されているのはそのためです。他にも暑くなる最上階の部屋やロフトなどで天井高がある部屋などは容量に注意が必要です。
1分間で理解するエアコン
チェック1 エアコンの主な機能
チェック2 インバーターエアコンとは
「インバーター」は直流電力から交流電力を作り出す装置のことです。すばやく冷暖房を行うときはフルパワーで運転し、設定温度に近づくとパワーを抑えて運転するといった具合に、圧縮機の回転数を制御して安定した温度を保てるよう調整している装置です。
インバーターを搭載していないと、一気に冷えて、消すとまたすぐに暑くなる。そのためスイッチON/OFFを繰り返す。
トレンド
エアコンにもAI(人工知能)が搭載される時代がきました。「スマートフォン機能」は専用アプリをダウンロードしたスマホやタブレットをリモコンとして遠隔操作できる機能です。外出先からON/OFFできるほか、室内の気温を確認することが出来ます。また学習能力を持った機能は、高性能センサーやAIで部屋の状況を学習し、体感温度など人の状態を見極めて快適にする製品もあります。
リフォマガ2021年8月号掲載
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