今月の輝く!リフォームセールス~「ライフプランを元にお客様と一緒に悩み、考えます」


今回登場するのは、中古マンションのオーダーリノベーションにおいてトップクラスの営業として活躍する田村歩さん。施主のライフプランに寄り添う丁寧な対応に、信頼が寄せられている。

▲グローバルベイス(東京都渋谷区)不動産事業部 課長代理 田村 歩さん(34)



施主のことをきちんと理解金銭感覚の慣れに注意

都心にアクセスしやすい立地で、質の高いリノベーションマンションを提供しているグローバルベイス。リノベ済物件を販売する「リノコレ」と、顧客と中古物件探しからはじめるオーダーメイドのリノベーション「マイリノ」の2つのサービスを展開している。2020年の年間売上総額は約180億円。これまで販売したリノベーション物件は約4500件だ。不動産事業部で営業を担当している田村歩さんはこの「マイリノ」の契約件数が2年続けてナンバー1という、輝かしい実績の持ち主(2018年度と2019年度)。

そんな田村さんが営業で大切にしているのは、「お客様のことをきちんと理解すること」だ。

「中古マンションを購入し、リノベーションすることは、お客様にとっては人生で一番高い買い物。4000万円かかるとしたら、それはすごい金額です。しかし、普段からそういう金額を扱っていると、私たち自身の感覚が麻痺してしまうことがあります。つい『良い物件なので、購入した方がいいですよ』といった言葉が簡単に出てしまわないように、一から丁寧にお客様に寄り添っていくことを大切にしています」と田村さんは話す。



ライフプランをヒアリング
最適なすまい選びの足掛かり

田村さんが初回の打ち合わせの時に聞くのが、これからのライフプランだ。同社の顧客は30〜40代の夫婦やファミリーが多い。最近ではリモートワークの需要から、広さや快適性を求める単身者の購入も増え、単身者の顧客数はコロナ前の1.5倍にもなっている。

「ご夫婦でしたら、お子さんは計画されているのか、今後実家に戻ることはあるのか、それとも都内に永住されるのかなど、将来どうしたいかとお聞きしています」

プライベートな質問をするのは、それが中古マンション選びのポイントになるから。子どもが生まれたらマンションの広さは40㎡では足りない。いずれ実家の家を引き継ぐのであれば、そちらをリノベーションすることも視野に入れて、手頃な物件にする。将来家庭を持った時に売却して広い物件に引っ越したいと考えている単身者には、駅近で資産価値が高い都心の1LDKを勧める。



言葉使いや声のトーン、話すスピードまで緻密に設計

こうした私的な事柄まで話がおよぶため、田村さんは言葉使いや声のトーン、話すスピードまで気を付けている。例えば、出産・妊娠は家を買う際の大きな検討事項になるが、ヒアリングをする際には「出産・妊娠」といったストレートな単語は使わず、「家族形成のご予定はありますか」や「ご家族が増えた時はどうされたいですか」といった、柔らかな物言いに言い換えている。

「私自身、以前は『不動産関係の人は怖い』というイメージがありました。ですので、威圧的なイメージを持たれないようにとても気を付けています」と田村さん。こうした接客トーク術には、美容師時代の接客の経験が活かされていると言う。

また、田村さん自身も30歳で都内にリノベマンションを購入したことから、自分の経験談から話を切り出し、顧客が話しやすい雰囲気を作るようにもしている。



カジュアルスーツで話しやすい第一印象に

他にも田村さんは第一印象をとても大切にしている。例えば、スーツの着こなし。

現在は社内的にもかっちりとしたスーツでなくてもOKとなったため、カジュアルスーツで、顧客から話しかけやすい服装をするようにしている。田村さんが好きなのはジャケット、ベスト、スラックスのスリーピーススーツ。ワイシャツの代わりにセーターを着ても、スリーピースならだらしなく見えない。色味は寒色系を選び、明るさよりも落ち着いた雰囲気を醸し出すように配慮。「私の顔が童顔なので、大人っぽく見せたいと思っています」と話す。

今は接客の時にマスクをしているため、表情が見えづらい。その分、眉間にシワを寄せないようにする、目尻が上がらないように気を付けるなど細かな工夫をしている。

▲スーツが似合う体型になろうと、ジムに通って体を鍛えている田村さん。「コロナ禍でトレーニングを始めたというお客様も多いので、トレーニングの話題は会話のキッカケにもなりますね」



スケルトン状態やリノベ済物件を見学

ほとんどの顧客が4〜5社の相見積もりをとる中、田村さんはここ最近手掛けた3つの案件で、他社との競合に勝って契約に結び付けている。ポイントは金額ではなく、「お客様は、私達営業のことを自分達の希望を叶えてくれる人か、一緒に悩んでくれる人なのかを見ています」と田村さんは話す。

「ご夫婦の場合、お二人で話し合いができますが、単身者の方の場合、すべて自分で決めなくてはなりません。プレッシャーを感じている方が多いので、普段から密に連絡を取り、一緒に考えていきましょうと伝えています」

また、オーダーリノベーションに対し「時間がかかるのでは」「どこまでできるの」といった不安を抱いている顧客も少なくない。そんな時は施工中の別の物件や、スケルトン状態になった物件を見学してもらっている。

「これは中古マンションを買い上げてリノベーションを行なっている弊社だからできるサービスだと思っています。実際にどこまでまっさらになるかが分かり、お客様の方から『だったら、こういう風にしてみたい』という声が出てくることもあります」

リノベ済み物件をモデルルーム代わりに見てもらうこともしている。現在約60件ほどが見学可能で、顧客のイメージを膨らませるのに一役買っている。



物件選びや住宅ローンの悩みも解決

物件を買いたくてもそもそもローンの審査が通るのか。それを心配する顧客も多い。

「お客様の年収、勤務先、勤続年数、賃貸なら月の賃料などをお聞きすれば、大まかな予算金額が分かります。弊社はリノベ物件を直接販売しているので、住宅ローンの審査の経験も豊富です」と田村さん。

物件探しについても、同社全体でこれまで10万件以上の物件情報を査定してきたノウハウを活用。プロの目から見て、資産価値が下がりにくい物件を探してくれる。

「今は経済状況が不安定なので、年収が高いうちに購入しておくこともポイントになると思います。また万が一の時に保険金で残りのローンを弁済してくれる団体信用生命保険についても説明します」

今後は、オーダーリノベーションなら100%満足してもらえる住まい作りができることをもっと提案していきたいと田村さんは考えている。



《以下3つの事例はいずれも田村さんが顧客に紹介し、ご成約となった案件》

▲ユナイテッドアローズと協業したフルオーダー・リノベーションサービス「RE : Apartment UNITED ARROWS LTD.」の施工例。内装デザインから家具製作に至るまでユナイテッドアローズがプロデュースする


▲昭和49年築のマンションを結婚を機に若いご夫婦が購入してリノベーションした例。広いリビング、ウォークインクローゼット、広い浴槽のすべての希望を叶えた。ウォークインクローゼットの奥には小さな書斎スペースがあり、リモートワークに役立っている


▲オープンキッチン、家族3人各々の寝室、書斎を設置、豊富な収納スペースを確保などの要件を満たしてリノベーションした例。書斎は普段子どもの勉強部屋になっているが、自宅で仕事する時にも活用



リフォマガ2021年4月号掲載

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