光熱費の削減、災害時の備え
「太陽光発電」とは、太陽の光エネルギーを電気に変えるシステムです。パネル内の太陽電池で発電した直流電力は、パワーコンディショナーによって交流電力に変換されて分電盤へ。不足する分は電力会社より自動で買取り、また発電電力が消費電力を上回った場合は、電力会社へ逆に自動で売電したり蓄電することができます。住宅用はシステム容量が10kW未満のものを指しますが、屋根の大きさなどから実際に載せる大きさは3~5kWが一般的です。
太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)期間を終えた家庭用太陽光発電について、その後余剰電力をどう活用するかという点に注目が集まっています。FITは2009年11月から始まった制度で、余剰電力の買い取り価格を10年間固定するという制度です。2019年から順次期間満了となるため「太陽光発電の2019年問題」とも言われています。電力供給各社では7~10円/kWh程度で買取りをするとしていますが(2020年現在)、余剰電力を仮想的に預けて必要な際に引き出すという「仮想預かりプラン」といった新プランも登場しています。また売電より蓄電にシフトするというユーザーも多く、余剰電力活用方法の多様化が進んでいます。
商品選びのポイント
パネルの素材もチェック
住宅用の太陽光パネルの素材は、シリコン系が中心ですが、「多結晶」「単結晶」「アモルファス」「アモルファス+単結晶」と呼ばれる4つのタイプがあります。発電効率はアモルファス<多結晶<単結晶<アモルファス+単結晶の順番で高く、発電効率が低いものはたくさんのパネルが必要となります。
1分間で理解する太陽光発電システム
チェック!
【よく出る単語】
●kWh(キロアットアワー)
太陽光発電が「1時間で発電できる量」を数値で表したもの。例えば「5kW」の太陽光発電システムを1時間発電させると「5kWh」の発電量になります。
●FIT
「Feed-inTariff」の略。エネルギーの買取価格を法律で決めること。
●HEMS
太陽光発電に付属するモニターと違い、住宅全体の家電やコンセントのエネルギー使用状況を「見える化」しています。政府が2030年までにすべての住宅にHEMSを設置することを目指しているものです。
【売電について】
太陽光発電の固定価格買取制度は2009年11月から始まりました。買取期間は10年間と定められていているため、当初より開始していた家庭は2019年11月で期間満了、その後も順次満了となります。満了後は何も手続きをしないでいると余剰電力は一般送配電事業者が無償で引き受けることになります。
余剰電気を活用するには蓄電池や電気自動車などと組み合わせて自家消費を拡大したり、引き続き電力会社や別の小売電気事業者と売電契約を結びなおす必要があります。もし満了後も契約が自動継続となっている場合は、新しい買取単価で継続して買取が行われますので契約内容を確認しましょう。
なお固定買取価格は下がり続けていますが、これは太陽光発電の初期費用の価格と共に下降しているものです。
トレンド
東日本大震災の教訓から、近年「自家消費型太陽光発電」に関心が寄せられています。蓄電池と組み合わせることで、災害時などに電気の供給が途絶えても電気を使える安心感があります。また太陽光発電システムと合わせて家庭向けエネルギー管理システム「HEMS」の導入が広がっています。これは電力消費の「見える化」を図り、モニターを使って家庭内で使われる電力を効率的にコントロールするというもので、電気使用量の削減につながると期待されています。
リフォマガ2021年5月号掲載
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