【THE SHOKUNIN】2代目に引き継がれる質の高い塗装技術「見えないところも丁寧な仕事をします」


【塗装職人】田中 彪さん(23歳)

リフォームの営業担当者にとって、熟練の職人さんは大切なパートナー。今回登場するのは外壁塗装会社・トーシンリフォームの二代目として期待される若手職人だ。



見えないところも丁寧に塗装以外の工事にも対応

「職人として心掛けているのは、見えないところも丁寧に塗ること。作業場が汚いと仕事も汚いと思われるのが嫌なので、作業場は常にきれいに片付けるようにしています。それと雨仕舞は特に注意を払うようにしています」。そう話す田中彪さん。

15歳から職人の世界に入った彪さん。外の世界を見たくて、他の会社で現場仕事を経験した後、父親の徹正さんが経営するトーシンリフォームに入社。徹正さんはすでに社長として営業に飛び回っていたため、仕事を教えてくれたは熟練の職人だった。

「その親方は塗装はもちろん、屋根の葺き替え工事や左官工事まで何でもできるんです。外壁塗装と言っても、お客様から『ここも直せる?』と言われることが多い。これからは、親方のような何でもできる多能工の価値が高まると思います」

田中さんは大工の職業訓練校を卒業し、大工の技術についても学んだ。「学校で大工の仲間ができたことも、大きな力となっています」と話す。

▲塗装する前に、ローラーのケバをマスキングテープで取る



聞かれたら1秒で即答
父の背中を追い、勉強中

入社当時は会社を継ぐことに抵抗があったという彪さん。しかし、職業訓練校を卒業した頃から意識が変わった。特に徹正さんと一緒に営業に回るうちに、徹正さんが兼ね備えている知識の量に圧倒されたという。

「父はお客様からの質問にほぼ即答で返答していて、それがお客様の信頼につながっています。お客様からすると、質問して5秒黙っていられたら、不安になりますよね。だから、僕も何か聞かれたら1秒で返すようにしています。わからないことでも『すぐに調べて連絡します』と言います」

営業に帯同し始めた頃は、父の凄さをよく理解してなかった。

「今思えば、もうちょっとしっかり話を聞いておけば良かったと思っています(笑)。営業で一人立ちをしてから、あれは普通じゃないと分かりました。毎日勉強しています」



田中彪さんが愛用している道具

上は腰袋。左から、塗料を漉すのに使う茶漉し。ケレン棒、掃除に使うラスター刷毛、コーキングを撤去するラジオペンチ、カッター、カーボンはがしヘラ、皮すき4種類、ドライバー

推薦の言葉

トーシンリフォーム 代表取締役 田中徹正さん

息子が会社を継ぐかどうかは息子の自由だと思っていました。ただ会社としては責任のある仕事をしたい。施工後、数十年経った後もお客様のフォローをするためには後継者が必要です。息子が2代目を継いでくれたことは嬉しかったです。これから職人としての技術に加え、仕事が取れる営業力を付けてくれることを期待しています。

彼は人懐っこく、友達も多く愛されるタイプ。困っている友達がいれば、夜中でも飛んでいくところがあります。子どもの頃、地域のバスケットボールチームでキャプテンを務めていて、挨拶もできる。20代と若いのですが、愛嬌もある。若さの特権として「こいつに任せてみるか」とお客様に思ってもらえているようです。

弊社は規模は小さくてもいいから、真面目に質の高い仕事をしてきました。拡大路線を目指すと、それが難しくなると思ったからです。2代目になったら「先代の方が良かった」と言われると、よく聞きますよね。息子にはこれからも工事の質は落とさないでほしい。それが私からのメッセージです。


田中さんからリフォーム営業担当者にメッセージ

「こうしてもらうと嬉しいなぁ」

塗装工事は天候に左右されるので、工期が読めません。営業さんに「どうしてもこの日までに」と言われてしまうと、手抜き工事をするしかありません。弊社は直請の仕事がほとんどですが、工期に関してはある程度融通を利かせてもらうと助かります。





リフォマガ2021年2月号掲載

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