わずかなコスト増で耐震性アップ 耐震補強金物

天井を壊さず施工可能なタイプも

「耐震補強金物」とは、耐震性向上のため、接合部の補強や基礎と土台の接合、柱と梁の追加などに使用する金物のことです。目的別にいくつかの種類があり、接合部を補強したい場合は「柱脚接合金物」「柱頭接合金物」、基礎と土台を固定したい場合は「ホールダウン金物」「アンカーボルト」、柱・梁を追加したい場合は「柱・梁接合金物」などを使用します。

金物の選定は、現場の大工任せというケースも多いため、安い金物を使用し十分な性能を発揮できなかったり、施工性が悪く工事期間がかかってコスト増につながってしまったといったことがありました。しかし、近年では工事を請けた会社や設計事務所が、部位ごとに使用する金物を指定することで、設計通りの性能を発揮できるよう工夫されています。

耐震補強工事というと、天井や床、外壁、内壁を大きく壊して、コストの高い工事が必要と考えられがちですが、耐震補強金物を使用して、天井や床を壊さずに施工ができるものが増えてきています。



商品選びのポイント

金物の性能把握が重要

耐震補強壁も外壁か内壁の片方のみから施工できるものがあるなど、組み合わせ次第で工事の規模を抑えた補強工事が可能となっています。柱や基礎に伝わる力を分散して、基礎や柱の破壊を抑える金物も増えていますので、現場任せにせず、きちんとその金物の性能を把握した上で選定することが重要です。



1分間で理解する耐震補強金物


チェック1 目的別耐震補強金物の種類


チェック2 ちょっとした違いが施工性の差に!


ワンポイント

地震の際には建物は上下左右に動き、柱が浮き上がる現象がおきます。このとき、柱の接合部が弱いと、柱と柱、または柱と梁がばらばらになり、建物崩壊の原因となってしまいます。耐震補強金物は、こうした柱などを固定することで耐震性能を高めていこうとするものです。どこを補強するか見極め、適切な場所に施工したいものです。



リフォマガ2020年12月号掲載

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