「排気方法」と「フードの形状」に違い
調理中の煙やニオイ、水蒸気などを外へ吐き出し、室内にクリーンな空気を循環させる「レンジフード」は、「排気方法」「フードの形状」などでタイプが分かれます。排気方法はプロペラを使った従来型の「プロペラファン」と、ダクトを通して排気する「シロッコファン」、浅型レンジフードなどに使用されている「ターボファン」があります。かつては排気量が多いプロペラファンがよく見られましたが、外壁に直接ファンを設置するため、台風や大雨などの気象の影響を受けやすく、またマンションなど気密性の高い建物への設置が困難でした。そこで開発されたのがシロッコファンやターボファンです。ファンの構造とダクトによって、外気の影響を受けずに安定した排気を行うメリットがあります。
フードの形状は「ブーツ型」と「フラット型」、「マントル型」などがあります。従来は深型とも呼ばれるブーツ型が多かったのですが、近年は整流板で吸い込み口の下部を覆った薄型や、浅型と呼ばれるフラットタイプが一般的になりました。
商品選びのポイント
清掃性と煙の捕集力
レンジフードは油が付着しやすい部分だけに、最も重要なのは清掃性です。最近はフィルターをなくしたノンフィルターフードが普及しています。フィルターのお手入れがない代わりに、シロッコファンのお手入れは発生しますので、ファンの取り外しやすさは重要です。一方煙の捕集力も重要なポイントです。特に対面キッチンでは煙がダイニングやリビングに広がりやすくなるため、注意が必要です。整流板を取り付けることで吸い込み口が狭くなり、吸引力が強くなりますが、空気のカーテン(エアカーテン)で油煙やにおいを逃さずに吸引するというものもあります。
1分間で理解するレンジフード
チェック! レンジフードのタイプ(一部)
同時給排気とは?
従来のレンジフードでは、給気と排気が別々でしたが、給気と排気を同時に行う“同時給排気”が採用されることが多くなりました。空気は圧力が高いところから低いところに向かうため、吸気による正圧と、排気による負圧のバランスをとることで換気効率が良くなります。風が強いタワーマンションや高気密の住宅に向いています。
レンジフードの清掃性
レンジフードの清掃性のポイントとしては、ファンや整流板といった部材が取り外しやすいかどうかがあげられます。また、フィルターがあっても、洗いやすいタイプもあります。さらに、レンジフードの内側の形状が拭きやすいかどうか、ファンの汚れ対策も確認するポイントです。
トレンド
レンジフードの形状として、従来はブーツ型が多かったのですが、デザイン性が高く、手入れがしやすい薄型が人気となってきています。近年特に進化しているのは油汚れ対策です。ファンを外さずにボタンひとつで自動洗浄できるものや、ディスクの回転する力で油汚れを吹き飛ばし、ファン自体に油汚れが付きにくくなったもの、さらに10年間ファン掃除が不要というものが登場するなど各メーカーの競争が激しくなっています。
リフォマガ2020年12月号掲載
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