【THE SHOKUNIN】自分の命をかけて人の命を守る それが足場職人の誇りです

【足場職人】村越 航さん(40歳)

リフォームの営業担当者にとって、熟練の職人さんは大切なパートナー。今回登場するのは足場職人の村越航さん。他の職人が作業しやすいように足場を組むスペシャリストだ。



職人の身長や背格好に合わせた足場を

村越さんは元塗装職人。当時「こうしてもらったらやりやすかった」と思うことを考えながら、足場を設計する。塗装職人にしか気付けないような細かなところまで配慮した村越さんの足場は「今までの足場とは全然違う」「やりやすかった」と評判だ。

打ち合わせの時、村越さんは実際に作業に入る職人さんの身長や背格好を聞くようにしている。基本的に作業床は軒天から180cm下に設置する。しかし、それでは身長の低い職人さんはやりにくいことがある。

その一つが、軒と外壁の間にきっちりラインをつけるためにマスキングテープを貼る作業。

「これが160cmの身長の職人さんの場合、180cm下の作業床だと、ずっと背伸びをして作業をしなくてはいけなくて、すごくしんどいんですよ。うちではこの場合は170cmのところに設置します。たった10㎝の差ですが、作業効率がかなり変わってくると思いますね」と村越さんは話す。

▲この日の現場は3階建の外壁塗装と屋上防水工事の足場の解体。上から声をかけながら、資材を降ろしていく



「若い職人は日本の宝」 職人を育てることに情熱

村越さんの会社の社員は現在7名。ほとんどが10代から20代と非常に若い。

「僕は若い職人は日本の宝だと思っています。長く職人を続けてほしいので、教育に力を入れています」と村越さん。

足場のプロとして仕事をしっかりするのは当然のことだが、一番重要だと考えているのは、施主や関係業者とのやりとりだ。施主が在宅中なら必ず挨拶をし、いつ作業が終わるかも伝える。

「足場工事の現場はカンカンという音がします。いつまでこの音が続くのか不安に思う方も多いので、『ご迷惑をおかけします。この時間までには終わります』と伝えます」

さらに作業中はむやみに大声を出さないことや、来た時よりもきれいに掃除して帰ることを徹底。足場職人の印象が悪く、その後の工事全体の印象が悪くならないように気を配っている。

「僕は若い頃やんちゃをしていて、両親からはよく『五体満足で仕事して生きていけることに感謝しなさい』と怒られていました。今になるとその言葉が心に滲みています。ですので、若い子には『お父さん、お母さんのいうことを聞きなさい』と言っています。自分の生きる価値を見出せるのは仕事。『男なら一生に一度は覚悟を決めて、一生懸命仕事に打ち込んでみろ』とそんなことを語っていますね」

▲若い職人に声をかけながら仕事を教える村越さん

▲作業道具を装備したところ

▲村越さん愛用の道具。ヘルメット、腰袋、ハーネス(安全帯)、ハンマー、両口ラチェットレンチ




推薦の言葉

小川建装株式会社 代表取締役 小川正博さん

村越さんとのお付き合いは2年ほど前から。施工管理担当者から「良い業者の方がいるので会ってください」と紹介されたのがはじまりです。

村越さんの仕事ぶりを一言で表すと「真面目」。現場は不測の事態が起こることもありますが、きちんと「報連相(報告・連絡・相談)」で対応してくれます。それに村越さんは「打ち合わせ上手」。こちらの要望をうまく聞き出し、それらを実現してくれます。例えば、同じ屋根の工事でも、屋根塗装と屋根の葺き替えでは作業内容が違います。村越さんはそれぞれの工事に合った足場を必ず用意してくれます。おかげで他の職人さんからも「作業しやすい」「助かる」と評判です。

また、村越さんは工事中、施主様が気持ち良く過ごせるようにも配慮してくださるので、施主様からの評判もいいんですよ。安全に足場を設置するのは当たり前。それ以上の対応をいつもしてくれていると感謝しています。



村越さんからリフォーム営業担当者にメッセージ

「こうしてもらうと嬉しいなぁ」
「こんな営業さんはすごい!」

営業さんから「今日で工事が終わるので、明日解体してください」とよく言われます。しかし、すでに予定が入っていることが多く、すぐには対応できません。「1週間後になります」と言うと、「もっと早くできないの」とお叱りを受けることも。足場屋はすぐには動けない業種であることを理解してもらえるとありがたいです。

推薦の言葉をいただいた「小川建装」の施工管理担当の清水春樹さんは、そのスケジュール管理が素晴らしく、余裕を持って連絡をもらえるので助かっています。清水さんの施主様からは全然クレームがこないので、施主様に丁寧に説明されているのだと思います。

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