初心者のための建具リフォームの現場調査~部屋別の注意点~

リフォーム営業初心者のために、建具リフォームの現場調査について分かりやすく詳しく解説!建具リフォームのエキスパートを目指そう!



Point3 部屋別の注意点

建具の現地調査では、部屋ごとに注意点が異なる。安全にも係わることなので、部屋別の注意点を踏まえた上で適切なアドバイスをしよう。



1 トイレ

内開きドアは危険

以前は内開きが多かったトイレの扉。中で人が倒れたときに扉が中の人に当たって開けられなくなることが問題となり、外開きや引戸が一般的になった。内開きの扉がついていたら、外開きや折戸への変更をお勧めしたい。

▲中で人が倒れた場合、内開きドアが開かなくなる


【ここにも注意!】

内開きから外開きにする際に既存のドアを使う場合、左右の開き勝手が変わることもあるが、その時はスイッチの位置を変える必要があるか検討したい。

▲スイッチの位置と開き勝手に注意



2 リビングダイニング

ガラス入り建具がお勧め

リビングダイニングの扉は人の出入りが多いため、ガラス入り建具にするとガラス越しに反対側の人を確認できて安全だ。また採光がとれるため、暗くなりがちな廊下に光を通す効果もある。


【ここにも注意!】

開け放すことが多いため、ストッパーが必要。



3 洗面所

洗面所の扉を狭くするのはNG

洗面所の扉の幅を狭めて収納を多くしてくれと言われることがあるが、答えは「NO」。洗濯機の入れ替えや洗面台、浴室の入れ替え工事の時に出し入れができなくなるからだ。


【ここにも注意!】

鍵を付ける場合は万が一の時に外からコインで開けられる表示窓がついた表示鍵を。また採光や換気のため扉上に開閉式の欄間がついたドアもある。

▲洗面所の扉幅が狭すぎると洗濯機や洗面台が入らない



4 廊下・階段

外開きのドア、安全性に注意

外開きの扉が通行に支障がある場合は引き戸や折戸に変更を。特に階段を上がりきったところに外開き建具があると人が階段から落ちる危険があるので注意。また、廊下で向かいあった開き戸同士が近く、通行の妨げとなる場合は安全のためドアの開閉方法を変更する必要がある。



5 居室

引き戸は開き戸に比べ音が漏れやすい

居室で楽器を使うなど、大きな音を出す場合、引き戸ではなく開き戸がお勧めだ。それでも引き戸が良い場合は防音性能がある居室用引き戸も発売されている。



6 和室

「真壁」か「大壁」かで建具に違いが

和室の建具現地調査で大切なことは、真壁(しんかべ)か大壁(おおかべ)かを確認することだ。和室には真壁と大壁があり、真壁は柱等が見えている伝統的な和室だ。真壁の場合、柱・鴨居・敷居に建具が納められてるため、柱に建具枠を取りつける必要はない。しかし、マンションや工業化住宅をはじめ、近年は柱が見えない大壁の和室が多い。大壁の和室の建具には、建具枠が必要となるので注意しよう。

▲真壁は柱が見えていて、建具枠も兼ねている

▲大壁は柱が見えない。建具枠が必要



7 クローゼット

折れ戸のつまみは握力が弱いと開けにくい

クローゼット折戸の扉のつまみは高齢になると指先に力が入りにくくなるため、折戸の開閉に苦労することがある。手を掛けて開けられるものにする方が開けやすい。実際にお客様にショールームで確認してもらうと安心だ。

▲引手にも気配りを


折れ戸は開閉方法が使いやすさの鍵に

例えば左右どちらからでも開けられるように扉を枠に固定せずにフリーにすると、引き戸のようにも使える。家具が邪魔になる場合にはお勧めだ。

▲折戸は枠に固定orフリーを選べる


真壁の押し入れの場合

柱が表に出ている真壁の押し入れでは、床から天井までの折れ戸にするには長押(なげし)と鴨居をはずすことになり、補修が必要だ。そのため鴨居、長押から下の襖のみ折戸にすることが多い。

▲真壁の和室の押し入れは鴨居・長押(なげし)を撤去すると補修が必要


【ここにも注意!】

和室を洋室にして押し入れをクローゼットドアにする場合、押し入れ内の床と室内床の段差に気をつけよう。



8 押し入れ

押し入れの襖をクローゼットドアに

押し入れの襖を収納折れ戸に変更する例が多い。引違いの襖では、開口幅が布団の幅よりも狭いため布団の出し入れが不便だから折れ戸にする、ベッドにするので押し入れはクローゼットにしたい等々。大壁仕様の和室の押し入れは、枠を外せば天袋もそのままで床から天井まで折れ戸に変更可能だ。

▲布団の幅が襖の開口より広くて入れづらい



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