今月の輝く!リフォームセールス~「耕す営業」で70%がリピート&紹介

今回登場するのは、丁寧なアフターフォローで、お客様と深い絆を育んでいる人間味溢れる営業マン3人だ。3人が所属する「すまいのフレスカ」では依頼の70%以上がリピートと紹介。どうしてそこまで信頼されるのか。その秘密をインタビューした。


▲滝島商店 すまいのフレスカ(東京都羽村市)営業部

松村太郎さん(左)、飯沼孝行さん(中央)、梅澤敏幸さん(右)



担当エリアは1人で1市 狭いエリアをより丁寧に

すまいのフレスカを運営する滝島商店(代表取締役社長/瀧島忠典氏)は、1961年、東京都西多摩郡羽村町で材木店として誕生した。

リフォーム事業をスタートさせたのは2007年。2011年に木材販売事業から撤退した後、2015年に株式会社ヤサカからリフォーム事業を譲渡された。それに伴い入社したのが、今回輝くリフォームセールスとして登場していただいた営業部の松村太郎さん、飯沼孝行さん、梅澤敏幸さんの3名だ。

同社では重点営業エリアを羽村市、青梅市、福生市(瑞穂町)に限定している。あえてエリアを限定することで、急な相談でもすぐに対応できるようにするためだ。担当エリアは羽村市が梅澤さん、青梅市が松村さん、福生市が飯沼さん(瑞穂町は三人共通)。1人が1つのエリアを担当することによって、頻繁にお客様との接点を持つようにしている。

「ガラスが割れた」「雨戸が閉まらない」など、些細なことでも迅速に対応。ネジの打ち替え、電球の交換だけでもお客様から相談があれば、飛んでいく。扉が動かないと相談されて行ったら、ホコリが溜まっていただけ。雨戸が閉まらない時も小石が挟まっていただけというケースもあったという。

松村さんは「実はそういう細かい困り事こそ、緊急性が高いんです。弊社は1人で1つの市をカバーしているからすぐに行けます。簡単なことでしたら、出張費はいただきません。お客様との信頼関係を築くことの方が大切だからです」と話す。



「フレスカさんは頼みやすい」 そんな関係づくりがポイント

同社には年間600件ほどの工事依頼が来るが、その70%以上がリピーターと紹介のお客様だ。一度工事を頼んだお客様がまた頼みたくなる。そんな絆が生まれている。

「家は一カ所直しても、数年後には修繕が必要なところが出てきます。お客様の家を自分たちが長い間面倒をみます、というのが弊社のスタンス。それが小さな会社である私達の生きる道だと思っています」と梅澤さんは語る。

新規のお客様の割合は少ないが、その分相見積もり自体が少ない。安売り競争の土俵に乗らなくて済む、というメリットもある。

「正直に言って、自分達は営業力がある方ではないと思っているんです」と梅澤さんは謙遜する。ガンガン新規契約を取る営業はできないが、リピートのお客様を大切にすることで、お客様との良い関係を築くことは得意だ。

「その結果『フレスカさんは頼みやすい』とか『相談しやすい』と思ってもらえるようにしたいんです。狩りをするより、耕す作業をしているという感じです」(梅澤さん)。

飯村さんも「僕はどちらかと言うと口下手。以前の会社で営業をしていた時は『仕事がほしい』という気持ちばかりが先走って、逆になかなか契約を取れなかったんです。この会社は、お客様にとって一番いいリフォームを一緒に考えていくスタイル。それがいい結果につながっています」と話す。



お客様とのエピソード紹介 おすすめグルメ情報も

お客様との接点を作るために、「笑顔お届け便」と言う4ページの冊子も作っている。工事を発注してくれたお客様に年に4回送っている。この中にはお客様とのエピソードやグルメスポットの紹介、協力業者で組織する「ご縁塾」という会のメンバー紹介などもしている。こうした話がOB訪問時の話のネタにもなるという。

この他、見積もり依頼ヘのお礼のハガキや、工事前後のメッセージなどはイラスト入りのものを使い、温かみが感じられる工夫をしている。

▲「笑顔お届け便」の表紙。登場したお客様の清水さんは、滝島商店の初代・瀧島忠治さんと、清水さんのおじいさんの代から三代ものお付き合いが続いている間柄。担当は梅澤さん

▲工事のお知らせ(上写真左)。イラスト入りでフレスカらしさを出している。各戸に配布する他、マンションのロビーに掲示するものと兼ねている写真中央が工事完了のお知らせ。定期点検で訪れることも明記し、何かの時に相談できることを伝えている



「家のことは俺より梅澤さんの方がよく知ってる」

お客様との印象的なエピソードも多い。

梅澤さんが嬉しかったのはお客様から「この家のことは、俺なんかより梅澤さんの方がよく知っているよ」と言ってもらえたことだ。内装・外装含めて、何年もその家のリフォームに携わってきた梅澤さん。電話で相談を受けても「ああ、あそこのことか」とすぐにわかったほど。「1つ1つの工事を大切に進めていった結果が、この言葉。本当に嬉しかったです」

松村さんにも年に一度はリフォームを依頼してくれたお客様がいた。「この冬にその方がお亡くなりなって、お通夜にも参列させていただきました。この時、私はこの方と一緒に人生を歩かせていただいていたんだなと感じました。現在は、その方の娘さんが家の相談をしてくれています」と語る。

飯沼さんにもいつもリフォームを依頼してくれるお客様がいた。ある時「床を張り替えたい」との相談が。見積もり額は100万円ほどとなり、このお客様としては、初めての高額工事となった。その頃、飯沼さんは素晴らしい床材を見つけていた。早速それをお客様に薦めた。費用は一気に160万円近くまで上がったが、お客様からは「飯沼さんからいいものを教えてもらった」と感謝された。自分を信頼して、感謝してもらえたことが、大きな励みになっている。

▲縁結びの神様と言われている日光二荒山神社の銭洗所で洗った五円玉を工事を発注してくれたお客様にプレゼント。社員全員で600枚の五円玉を洗ったことを、包紙で紹介している

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