火に強くて防音性も高い断熱材 セルローズファイバー

紙が主原料の環境に優しいエコ素材

「セルローズファイバー」は、天然の木質繊維を利用した断熱材で、施工箇所に専用の機械で吹き付けて充填します。主に新聞古紙を原料としており、欧米を中心に採用されています。

原材料が紙であるにもかかわらず、防火性能が高く、準不燃材料に指定されています。これは、ホウ素系薬品で防燃処理を施しているためで、炎を当てても表面が焦げるだけで燃焼することはありません。ホウ素を使用するため防虫効果が高く、アメリカでは防虫断熱材として登録されています。

さらに紙の持つ吸放湿性能で、室内を調湿し、結露対策にも役立ちます。さらに遮音性能が高いことも大きな特徴です。繊維の中にたくさんの空気を採りこんでいるため、音を吸収しやすいのです。断熱材を入れることで戸外の騒音や階上の音の軽減などにも効果が期待されます。



商品選びのポイント

性能面とコスト面のバランス

断熱性能の他に調湿、防カビ、防虫、遮音、耐火性能を持つセルローズファイバーですが、日本では断熱材の中でもシェアが最も低いのが現状です。その大きな理由がイニシャルコストの高さです。

グラスウールと比べて材料が2~3倍と高価な上、専用の機械と専用の職人が必要となるため、コスト面で大きな開きが生じています。しかし、性能の高さやエコ建材としての安心感で注目されており、今後の伸びが期待される断熱材です。



1分間で理解するセルローズファイバー

チェック! 3つのポイント

リサイクル素材

原料の約75~80%がリサイクル新聞紙。製造工程においても二酸化炭素をはじめとする有害物質を発生させない。


火に強い

木質繊維の断熱材だが1000℃の炎にも表面が焦げるだけで防火性は高い。万が一火災が発生しても延焼を防ぐ効果がある。


防音効果

繊維の中にたくさんある厚い空気の層で音を吸収する。防音工事の際に利用される。


トレンド

セルローズファイバーは、主に新聞古紙をリサイクルした断熱材で吹き付け・吹き込み施工を行います。現場発泡断熱材のように隙間なく施工できるので、気密性を高めることが容易な断熱材です。現場施工で性能も安定しています。海外シェアが高いのですが、エコな素材として国内でも人気は高まってきています。

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