リフォーム提案は、建物の構造を知ることから始まると言っても過言ではないだろう。出来る事と出来ない事を見きわめる上でも「構造」は重要なチェックポイントだ。とはいえ、難しく考えずにまずは「構造とは何?」というところから一緒に考えてみよう。
「2×4」とか、「在来工法」とかいうのは構造と違うのですか?
「2×4」や「在来工法」などと呼ばれるのは、構造用の材料を使ってどのような方法で建物を作るのかというこという「工法」。構造と工法はごちゃ混ぜになりがちなので、主な工法を構造別に仕分けてみましょう。
ちなみに「在来工法」は、他の工法より以前から日本に根付いているため「在来」と呼ばれていますが、建築学では「木造軸組工法」といいます。
工法を構造別に分類すると…
表の中の「軸組構造」「ラーメン構造」「壁構造」って何ですか?
構造を強く補強するための「構造形式」のパターンです。構造材を使って単純に箱にしただけでは地震や暴風といった水平にかかる力に対抗できる強い建物にはなりません(イラスト参照)。
「構造形式」は簡単に言うと、箱がつぶれないようにするための組み方の方法ということ。表にあるように、住宅に使用されている工法は、この3パターンの構造形式のどこかに入ります。
「構造形式」1 軸組構造(ブレース構造)
斜め材を入れることで補強する方法。柱と梁に囲まれた面に斜めに筋交い(ブレース)を入れて水平力に対抗する。
【メリット】
敷地の形状やプランに柔軟に対応しやすい。
【デメリット】
筋交がある面をバランスよく配置しないとねじれや歪みが生じる。
「構造形式」2 ラーメン構造
ラーメン構造は、ドイツ語で「枠」を意味している。柱と梁の骨組みの各接合箇所を剛接合して建物を支えるというシンプルな構造形式。
【メリット】
壁がいらないため、大きな開口を取ることができる上、壁量を気にすることなくプランニングできる
【デメリット】
柱や梁が室内に出てくることが多い
「構造形式」3 壁構造
壁構造とは、壁面で建物を支える構造のこと。壁と床・天井という「面」で構成される。
【メリット】
住戸内に梁や柱がないためスッキリと仕上がる。また、壁式構造は地震にも強い。
【デメリット】
構造材である壁にあまり大きな開口をとることができない。
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