専門店に学ぶ窓廻りの提案術~めいくまん~

リフォームの完成度を大きく左右する窓廻りのコーディネート。顧客自身でカーテンを購入するよりも、プロとしてインテリアや内装、施主の暮らしに合わせてベストな窓廻りを提案出来るようになれば、リフォーム後の満足度もさらにアップ!窓廻りをグレードアップする提案術を知識と実績に長ける専門店から学んでいこう。



この方に聞きました

めいくまん(東京都八王子市)鈴木 恵美子取締役

高等専修学校家政科での実技指導経験を持ち、その後青年海外協力隊員としてバングラディッシュで刺繍やミシンを指導。1996年に帰国以降、窓廻り提案や内装工事を2000件以上手掛ける。ファブリック小物の企画制作にも携わる。



提案の引き出しを増やし色・柄・素材選びの楽しさを伝える

レール・バランス・タッセルもオリジナルで作成

「お客様から”こんな事も出来る?” ”やってもらえるのかしら?"と相談して頂けるよう、お客様に生地選びの楽しさが伝わる接客や店内のディスプレイを心掛けています」こう話すのは、これまで窓廻りのコーディネートを中心に2000件以上の案件を手掛けてきためいくまん(東京都八王子市)の鈴木恵美子さんだ。

鈴木さんは、オーダーカーテンのコーディネートからタッセル、バランスのデザインまで手掛けてしまう洋裁の知識と技術を持つ達人。コストをかけずに、その施主ならではのオリジナル感溢れる窓廻りを提案する事が得意だ。「自然と他店とはバッティングしなくなりますし、来店やリピーターのお客様から仕事を頂いています」(鈴木さん)

鈴木さんが手掛けてきた、創意工夫溢れる窓廻りのコーディネート事例を紹介していこう。



事例1 麻100%のカーテンをご指名配色も2人の好きな色で

この案件のご夫婦は、奥さんがイエロー、ご主人はブルーが好き。両方の色味を楽しめるよう、ベースにイエロー、青ベースのストライプ柄をアクセントに用いる事を提案した。布の組み合わせ配分を工夫すれば、単一の生地にした場合と同等の価格で、オリジナルのコーディネート提案が可能。カーテンは、顧客から指名があった麻100%のカーテンブランドを使用。

使用しているカーテンはこれ!

『リフリン』麻100%のリネンカーテンで、自然素材ならではのナチュラルな風合いが楽しめる。天然素材なので、洗濯等で縮むことも。防縮加工を施すか、長めに採寸する等の配慮が必要。



事例2 バランス効果で天井を高く内装も工夫しエレガントな印象に

イギリスが好きなお施主様。オリジナルで制作したバランスは、目線が上にいき、天井を高く見せる効果が。また、もたつきがちなフラットバルーンを取り付けた窓も、上部のバランスで、より窓ガラスを見せすっきりとした印象に。内装提案もひと工夫。壁を室内塗装で落ち着きのある水色に。廻り縁は白く塗り直し、建具周辺にも『みはし』のモールディングを施す事でエレガントな印象に。「施工後の完成度を左右し、お客様の満足度も高くなるので、窓廻りのコーディネートはとても重要です」

▲施工前。以前はダイニングにウィリアムモリスのカーテンを取り付けた。今回リビングを。

▲バランスの縫製は、専門性のある工房と連携して制作。このようなパートナーの存在も強みの一つ。


タッセルにもにこだわり

▲タッセルもカーテンの色や柄に合わせて糸を選び制作した。

▲以前手掛けたダイニングカーテンに取り付けたタッセル。ウィリアムモリスの「苺どろぼう」の鳥の部分が向かい合わせになるように縫製。綿を入れてクッション性を持たせている。このようなひと工夫が顧客を引き付ける要因に。



事例3 カーテンの柄に合わせてアイアンレールも特注

カーテンの柄に合わせて、アイアンレールをデザインした事例。「既製品のアイアンレールを購入しても大体4~5万円。1からデザインして制作しても、そこまでコストアップせずに、そのお施主様ならではのデザインレールを提案する事が出来ます」デザインは鈴木さんが手掛け、制作は外注に。

めいくまんがある八王子市は、美術系の大学が点在するエリアで、工房を構える職人も多くいるという。こうした人脈も同社の提案力を下支えしている。

▲レールのデザインにこだわる事でよりオリジナリティある空間に。

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