施主の期待に応え 1400万円の大型受注 1年で売り上げ倍に

今回紹介するのは、細田工務店(東京都 杉並区)の東美奈子さん。持ち前の人懐っこさと明るい笑顔で施主の心を掴んで いる。一昨年の売り上げは5000万円ほどだったが、昨年度の売り上げは1億円にまで伸びた。ときには施主からの厳し い言葉も受け止めながら成長し、新たな目標に向けて邁進中だ。

細田工務店(東京都 杉並区)リフォーム営業部 東美奈子さん

~プロフィール~

大学で自然環境学を学び、新卒で自然素材のリフォームを行う会社に就職。約3年前に自身 の視野を広げるため細田工務店へ転職した。 昨年度の売り上げは1億円超え。 


モットーは家族のように寄り添うこと

東さんが営業をする上でもっとも大事にしているのは、施主と家族のように接すること。「人と話すことがすごく好き。家族のように寄り添って、人の話を聞いてあげる仕事がしたかった。 家の中に入れる仕事はなかなかないので、どんどんリフォームのお仕事が好きになりました」と語る。


人懐っこい東さんは、営業を始めた当初から施主と話すことに一切抵抗がなかったという。 特に年配の顧客からは孫のように可愛がられた。しかし、「可愛がられているだけではいけない」と感じるクレームを受けたこともあった。 施主の要望を東さんが汲み取りきれずにすれ違いが続き、 施主が苛立ちを募らせてしま った。施主は30代の女性。細かい説明を求めるタイプだったが対応しきれず、苦手意識を抱いてしまった東さんは連絡をおこたってしまっていた。


「あなたじゃ進まないわ、と担当を変えるように言われてしまい、自分の対応力がないと感じました」。それからは施主の特性を見て対応を変え、連絡もこまめにするようにしている。 


また、素直で感情が顔に出やすい東さん。こんなエピソードもある。「施工不良があり、申 し訳ない気持ちでどんよりとした顔でいたら、お客さんから 『東さんが負のオーラを出しす ぎると何も言えないよ』と言わ れて、感情を出しすぎるとお客さんを不安にさせてしまうと 気がつきました」何かあっても、 まずは冷静になって施主の前では感情を出しすぎないように心がけている。


400万円差でも 「東さんだから」契約獲得

悔しさも乗り越えながら成長を続け、一昨年の売り上げは 5000万円ほどだったが、昨年度は1億円を超えた。その中に、3階建てマンションのリフォームがあった。1階が貸店舗、 2階は塾に貸しており、3階に施主が住んでいた。3階に施主の息子夫婦が移り住むために、 2階を施主が住めるようにリフォームしたいという依頼だった。 


 11 月末に相談があり、 翌年の3月末に工事を終わらせてほしいという要望。どうしてもこの案件を手がけたかった東さんは1週間ペースで設計プラ ンを変更して描き直すなどしながら、密に連絡を取っていた。他社は1000万円以下で見積もりを出す中で1400万円での提案だったが、見事に契約を獲得。「お客さんから『東さんがタ イトなスケジュールにもかかわらずハイペースで打ち合わせをし、こちらの要望を全部聞いてくれた。東さんの頑張りで決めました』と言われ、涙が出るほど 嬉しかったです。400万円の差があったのに付加価値を感じて選んでくれたことが嬉しかった」。無事完工し、息子夫婦が暮らす3階部分のリフォームも700万円で契約を獲得した。

▲明るいカウンターキッチンにしたいという要望だったが、細長い間取りで2100のキッチンは入らないくらいにスペースがなかった。各メーカーに聞いて探したところ、パナソニックのLクラスがサイズオーダーがきくことがわかった。「間口が1800しかないにもかかわらずアイラ ンドでカウンターがあり、IHで食洗機付き。 お客さんの要望をギュッと詰めたものを提案でき、喜んでくれました」


目標は自分らしい プラスアルファの提案

「いろんな工事を経験したので、 商談の際に工事内容をスムーズに話せるようになりました。2年前よりも自信がつきましたね。 わからないことがあると現場に行って職人さんに何度も聞いたりしていました」と東さんは語る。


 新たに抱いている目標は、自分の特色を生かしたプラスアルファの提案をすること。東さんは大学では自然環境学部で学び、 前職では自然素材リフォームを行う会社で経験を積んだ。


転職した頃は、目の前のことに精一杯で何がしたいかわかっていませ んでした。住む人の健康と家を どう長く持たせるかを考えて提案したい。この会社でも自然素材のリフォームを打ち出してい きたい」と瞳を輝かせる。東さんが所属する西荻窪駅前館は5月にリニューアルした。その際、 壁にはオガファーザーという紙クロスを張りたいという東さんの意見が採用された。「自分が良いと思ったものでないと勧められない。嘘をつけないんです。だからこそ、アンテナを張っていろんなところへ行って『いいな』 と思うものを収集していくこと も大事だと思います」

▲東さんが所属する西荻窪駅前館。壁には東さんイチオシの「オガファーザー」が張られている




東さんに学ぶ施主に愛される営業になるための心構え

①お客さんに偏見を持たない

こういう雰囲気の人は苦手かなと思うと、苦手!と意識してしまうので偏見を取っ払おうと思いました。 お客さんを好きになって、好きにな ってもらおうという気持ちでやっています。初回の挨拶は当たり前ですが、全力の笑顔で!


②「嫌われたくない」 ではなく 「好かれたい」

自分のことをアピールして、好きになってほしいという気持ちでいます。『嫌われたくないと思うと独りよがりが出てしまって、うまくいかない』と前の職場の上司が言っていました。


③自分を忘れさせない

見積もりを出すまでに1~2週間かかることを事前に伝え、途中の段階でも逐一状況を伝えています。 連絡をまめにして、こちらのことを忘れさせないようにしています。


休日の東さん

休日は大好きな自然の中で過ごす。 「オフのときは仕事のことを完全に忘れます。新卒の頃は、一心不乱に仕事をしてプライベートがなくなってし まい、体調を崩してしまうこともありました。入り込み過ぎないことも大事。しっかり休むために、休日の前には関係各所に連絡を入れて段取りを しています」

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