しんどい時でも部下の存在が自分を奮い立たせてくれる
山万(本社・東京都中央区)車谷 賢司さん
入社1年で絶望を味わう
できない自分を受け入れる
「まちづくりが楽しそう」と思い、新卒で山万に入社した車谷賢司さん。当初は新築分譲など、不動産の販売部署に配属された。初めは上司のサポートもあって順調に売り上げたが、独り立ちしてからは伸び悩みを経験する。「調子にのっていたのもあって、絶望しましたね」
翌年、リフォーム事業に異動が決まる。「背中で教える」時代で、丁寧に指導してくれるような環境ではなかった。しかし、自分の知識は足りない。そこで、車谷さんは嫌がられても、とにかく周りに聞いて吸収していった。
「初年度の絶望もあって、できない自分も受け入れるようにしたんです。そうしたら気持ちが楽になって。お客様とも飾らず、自然と話せるようになりました」
もったいない時間をなくす
後輩には先回りフォロー
数年経つとサブリーダーに昇格し、部下ができた。自分も先輩としては初心者で、何を教えればいいかわからなくなることが多かったため「何に悩んでいる?この案件はどう?」と積極的に声をかけるようにした。
「自分もそうでしたが、新人だと何がわかっていないのか、自分で把握できていなかったりします。それをただ放っておくのでは、時間がもったいない。先におおまかに手順を教えたり、どこがわからないのかを考えて問題解決していけば、成長してくれます」
また、自身の経験から、表面的に責めたりすることはしないと決めている。数字が上がらず、ひたすら叱咤されたことがある。それだけでは問題は解決しないし、気持ちは落ち込む一方だった。
「否定的な言葉は、お客様にも部下にもなるべく使わないようにしています。せっかくなら、楽しく働きたいし、周りもそうであってほしいです。相談できないような環境が、一番ダメだと思います」
部下がいるから途中で投げ出したくない
リーダーとして苦しい部分もある。今はちょうど中間管理職で、部下・上司双方からの意見に挟まれ、気を遣う立場だ。それでも、部下がいるから頑張りたいと車谷さんは話す。
「誰もいなければどうなってもいいやと思ってしまったかもしれませんが、部下がいるから自分がちゃんとしなくては、と考えます。引っ張っていきたいし、途中で投げ出したくないんです」
今後の課題は、店舗としての数字を上げること。以前より、個々人の数字に対する意識が低下しているように感じるという車谷さん。達成意欲を持てるように、個人個人に数字について声をかけたり、見込み状況を一緒に確認し、どうすれば最良になるか試行錯誤している。
「自分一人で頑張って売り上げることもできるかもしれませんが、一人には限界があります。今後店舗を増やしていったり、店として成長するには人が育っていないといけません。仕事を楽しみながらも、みんなの熱量を損なわずに引っ張っていける力を、これからは身に付けたいです」
▲「せっかくやるなら仕事は楽しい方がいいので、辛くならないようにしたいですが、多少の強引さも必要なのかなと思っています。話しやすいけどやることはやる、最後はきちんとしめられるリーダーになりたいですね。」
モチベアップの表彰制度
山万の営業部門では、毎月の表彰制度がある。販売実績をもとに、努力賞・月間MVPを表彰する。車谷さんはこれまでに何度も受賞してきた。
「自分だけでなく教えた後輩がとってくれると嬉しいですね」(車谷さん)
お話をうかがったのは…
山万(本社・東京都中央区)車谷 賢司さん
38歳。営業本部住宅事業部 リフォーム・インテリアグループ課長兼山万ホームプラザ臼井店店長。
2008年4月に新卒で入社。工業大学で都市開発を広く浅く学び、山万が取り組むまちづくりに惹かれた。はじめは新築分譲事業に配属され、1年程でリフォーム事業に異動。2024年1月からは、山万ホームプラザ臼井店の店長に。現在は妻と中学1年の娘、小学5年の息子、小学3年の娘の5人暮らし。自宅もユーカリが丘に構え、プライベートでも街中で顧客と顔を合わせることもある。休日はキャンプに出かけたり、野球やサッカー観戦など家族と一緒に過ごす。
リフォマガ2024年8月号掲載
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