同じリフォーム営業でも、新人・中堅・ベテランと、営業歴によって「クリアしたい課題」は違うもの。
今回は、営業歴4年の中堅営業に、スキルアップ術を聞いた。
《入社4年目の中堅》
職人気質の細やかな提案で、顧客からの信頼を獲得
ナックプランニング(埼玉県戸田市)カスタマー事業部 係長 谷川陸さん(28)
富山県富山市出身。小中高はサッカー部。商業高校で全商の簿記1級、電卓実務(現在のビジネス計算実務)1級、情報処理1級の資格を取得。卒業後、建築に興味を持ち上京。板金職人として、原宿駅などの駅舎の工事に携わる。2020年1月、営業職として、ナックプランニングに入社し、埼玉本社に勤務。目標年間売上は8000万円。
【過去 これまでの課題は?どう解決した?】
報連相ができずに、顧客から大クレーム!
板金の職人時代は、仕事の成果が形となって残るので、業務の直後に上司に報告する報連相(報告・連絡・相談)の習慣がありませんでした。
営業職になったばかりの頃、ヒアリング内容を毎日上司に報告しなくてはいけなかったですが、よく忘れて注意されていました。自分の仕事だから、自分でやらなければという変な責任感や、「相談したらカッコ悪い」という思い込みもあったと思います。
ある時、マンションのオーナーさんから内装修繕の依頼がありました。見積もりを値切られ、私の対応の悪さもあり、オーナーさんを怒らせてしまいました。上司が出て行かないと収まらない段階になってから報告したので、上司からも怒られ、報連相の重要さが身に沁みました。
「なぜ報連相が必要なのか」。それを自分で納得するまで、上司から言われたことを、愚直にやり続けようと思いました。
やがて報連相が習慣になり1年ほど経ったころ、自分の下に新入社員が入ってきました。自分が教える立場になってからは「確かに部下から報告を受けないと大変だ」と、報連相の大切さを納得できるようになりました。
【現在 課題は?克服するためにしていることは?】
新人を育てて、会社の売上を伸ばしたい!
現在、私はカスタマー事業部の係長として、新規顧客の開拓や現場管理を行っています。年間の売上目標は8000万円。売上達成をめざす一方、新人を教える機会も増えました。
私もそうでしたが、わかってないのに「わかりました」と言う新人が多いと感じています。現場調査で「ここ、気を付けるのわかる?」「わかります」「じゃ、説明して」と言っても答えられない。言語化できないのは、理解できていない証拠。「わかります」と言っても、実は「わかっていない」と思うようにしています。
リフォーム工事についてうまく説明できるようになるため、新入社員には、「どこまで理解できて、どこから分からなくなるのか」に気づいてもらうようにしています。数学の式を理解するのと同じ感覚ですね。
つまづいているポイントがわかったら、それについて私が教えて、新人には改めて工事内容について自分の言葉で説明してもらいます。
この方法の良いところは、一度言語化しているので、お客様と対峙した時に、落ち着いて話すことができるようになるところなんです。
新人にとって、私は「厳しくて、細かい先輩」だと思っています。でも、そうしないと、お客様に迷惑がかかってしまいます。自分の売上もそうですが、会社全体の売上も上げられるよう、新人を育てていきたいです。
【未来 これから身につけたいことは?取り組んでいることは?】
施工管理技士などの資格を取得したい!
商業高校出身で、簿記、電卓実務、情報処理(共に全商)の1級を持っています。簿記は粗利率の計算に、情報処理はパワーポイントでの資料作成などに役立っています。
今後は30歳までに施工管理技士の資格を取得したいです。また、
依頼の9割が内装のリフォームなので、インテリアコーディネーターの資格にも挑戦したいです。
そして、将来的にはお客様への信頼度を高めるために、宅地建物取引士も取得したいと考えています。
谷川さんの強みは
「現場をきれいに納める技術管理力・提案力」
和室→洋室のリフォームは境界線がポイント
私の強みは、現場をきれいに納める技術管理力・提案力だと思っています。
リフォームで1番難しい部分は、リフォームするところとしないところの境界部です。例えば、マンションの和室工事ではリビングと旧和室を一体にしたいとご要望いただくことがあります。
しかし、マンションの構造上難しいケースや想定より予算がかかってしまうケースがあり、その場合、私は見積提出する前に天井と壁の納まりについて説明しています。
お客様は「和室だけを工事すれば天井や壁もフラットになる」と思っていることが多いのですが、厳密には部屋内で数センチ単位でずれていることもあります。その場合は小壁や下がり壁を新設することで、開口をなるべく広くして予算を抑えることが可能になります。
細かいことですが、そこまで提案することが私の強みだと思います。
▲谷川さんの愛用しているアイテム
腰袋は現場調査に必要な最低限のものが入る大きさに。写真にはないが、スケールは腰のベルトに付けている。ライトは光量強めのものを使用。天井裏など暗い場所もよく見え、撮影時に明るく照らすことができる
リフォマガ2024年7月号掲載
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