部下を受け入れ、自分も受け入れてもらう
現場主義のプレイングマネージャー
三春情報センター(神奈川県横浜市)コーディネーターマネージャー 小塩 泰弘さん
部下を受け入れ、自分も受け入れてもらう
現場主義のプレイングマネージャー
未経験から5年目でマネージャーに大抜擢
リフォーム業界未経験、38歳で営業職も飛び込んだにも関わらず、1年目から売り上げ目標を着実に達成してきた小塩泰弘さん。前職は大手写真館チェーンで、七五三の子どもから遺影撮影の高齢者まで、様々な顧客に対応する中で接客スキルを磨いてきた。
三春情報センターには不動産部門があり、小塩さんは入社1年目、中古物件を購入した顧客のリフォームを担当するチームに配属。2年目から直接顧客から依頼を受ける自己受注のチームに異動した。
同社の1年目の粗利益目標は1200万円。その後、チーフは2400万円、サブマネージャーは3600万円とハードルが上がる。そうした数字を次々とクリアした小塩さんは、サブマネージャーの時に、粗利益4300万円を達成。5年目で自己受注のチームを統括するマネージャーに抜擢された。
初めての大型案件
受注の決め手は「聞く力」
入社後3カ月目の時、小塩さんに最初の転機が訪れる。団地で行われたスケルトンリフォームの現場見学会で出会った80代の男性。小塩さんのことを気に入り、「うちもリフォームしたいから、今から来てよ」と言われ、そのまま現場調査をすることに。トントン拍子に話が進み、総額200万円の大型案件を受注した。
「受注できたのは、お客様の話をしっかり聞いたからだと思っています。この時も1時間半以上聞いていたと思います。私にとっては初の大型案件で、当時の私は新人でしたが、経験の有無はお客様には関係ありません。責任を持ってやらなければいけないと思いましたし、これで自信がつきました」
「答えは現場にある」
これからも営業の第一線に
次の転機はマネージャーになった時にやってきた。これまでは「顧客の話をよく聞き、信頼してもらう」営業スタイルで、個人の営業成績を伸ばしてきた。数字は気にしなくても後からついてきた。しかし、今は部下が6名おり、チーム全体を見ながら自身も営業に行くプレイングマネージャーの立場になった。個人の売上目標数字はなくなったが、今度はチームの売上が小塩さんの肩にかかっている。
「私は部下に営業成績でプレッシャーをかけるようなことは言わないんです。基本的に各営業に任せて、見積もりや提案の内容を見て、『もっとこうした方がいいんじゃない?』と一緒に考えるようにしています」
上司と部下という関係はあまり好きではないという小塩さん。マネージャーとして大切にしているのは、部下みんなを受け入れることだ。「私がみんなを受け入れないと、自分も受け入れてもらえない。それではチームとして機能しなくなると思います」
とはいえ、マネージャー2年目の課題は、更なる売上向上だ。部下それぞれの個性を活かせる営業スタイルをアドバイスしたり、小塩さんが営業に同行したりするなど、各個人へのフォローを強めている。
「本当は、接客の方が好きなんです。お客様の嗜好も時代に合わせて変化していると思うので、ずっと現場に出ていたい。よく部下にも『答えは現場にある』と言うのですが、現場を見ることで身につく知識はたくさんあると思います。いつまでも現場に近いマネージャーでいたいと思っています」
《声をかけやすいリーダー》
周りから声をかけやすい存在ではありたいと思ってます。相手が話しかけてきたら手を止めて、相手に視線や体を向けて話を聞きます。当たり前かもしれないですけど、そうした姿勢は上司として大切だと思っています。
お話をうかがったのは…
三春情報センター(神奈川県横浜市)コーディネーターマネージャー 小塩 泰弘さん
43歳。神奈川県厚木市出身。小中高と野球に打ち込む。大学卒業後、大手写真館チェーンに就職。16年間務め、店舗を統括するエリアマネージャーまで昇進。その後、転職を考えているときに、実家を二世代住宅に建て替えた経験からリフォーム業界に興味を持ち、2019年3月三春情報センターに入社。子どもの頃は人見知りで、授業中に手を挙げるのも緊張するタイプ。社会人になってから接客業を通して社交性を身につけていった。
リフォマガ2024年5月号掲載
0コメント